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2026年7月21日火曜日

Life Creators Marketing25:7差化行動で生活市場を革新!

生活民は7つの生活行動で、供給側の主導する生活市場へいかに対応していくべきか、生活民マーケティングの視点から検討してきました。主な論点を整理しておきましょう。


➀差延化行動・・・手作り、変換、編集、参加、私仕様

生活民主導マーケティングの中核行動として、多面的に展開していきます差延化行動をどう進めるか?

手作り」行動は需給逆転時代の先端であり、「変換」行動もまた需要側の復権を果たしていきます。「編集」行動は生活民が主体性を何とか維持している、最も基本的な生活行動であり、参加」行動では供給者主導市場との折り合いを深めていきます。

私仕様」行動を広げるには、インターネットや生成AIなどを積極的に応用した「カスタマイズ」市場を拡大することが期待されます。

➁差汎化行動・・・手作り・変換・編集・参加・私仕様の市場化

差延化(手作り、変換、編集、参加、私仕様)行動で生み出された、新たな個人的「効能」を、より広く社会的な「価値」へと転換していく行動です【差汎化行動をどう進めるか?】。

こうした行動を広げるには、生活民の差延化行動を、インターネットや生成AIなどを積極的に応用して、供給側へ強く告知するとともに、適正な費用設定を求めていくことが求められます。

➂差元化行動・・・象徴、無意識、体感

生活民主導マーケティングの2番目の中核として、深層的な市場次元へ展開していきます【差元化行動をどう進めるか?】。

象徴」行動を消費市場や社会事業に広げていくには、伝統的な供給構造を活用しつつ、新たな象徴願望に対応する供給体制の構築を求めていきます。

無意識」行動を広げるには、生活素材と支援サービスの両面から、伝統的な支援手法を再評価しつつ、最先端のテクノロジーを駆使した、新たな対応を求めていきます。

体感」行動を広げるには、生活素材と支援サービスの両面から、供給側にもハイテクやAIを応用した、新たな対応を求めていきます。

➃差異化行動・・・カラー、デザイン、ネーミング、ストーリー、ブランド

生活民マーケティングでは、供給側から与えられる、上記のような記号的価値からできるだけ逃避することが望まれます。その意味では、「差異化」行動というより、「反差異化」行動こそが、生活行動の基本姿勢となります【差異化行動をどう進めるか?】。

生活民に求められる差異化行動とは、差延化行動と差元化行動を駆使して、これらのネウチを自ら創り出すことです。

➄差真化行動・・・自学・自習、作法・儀式、修行・訓練

生活民は自らの求める「自学・自習」行動や「作法・儀式」行動を広げるために、供給側に対して、伝統的な支援サービスを改良しつつ、最先端のハイテクを駆使した、新たな対応を求めていきます【差真化行動をどう進めるか?】。

修行・訓練行動」の実現には、供給側に社会変化に見合った、新たな商品やサービスの創造を期待します。

⑥差戯化行動・・・競争・ゲーム、模擬・戯化、混乱・めまい

生活民は自らの求める「競争・ゲーム」行動を実現するため、供給側に対して、伝統的な商品やサービスの改善とともに、ハイテク技術を応用した、新たな対応を求めます【差戯化行動をどう進めるか?】。

模擬・戯化」願望を充たすためには、私戯戯化模擬の順番で、供給側の対応を求めます。また「混乱・めまい」対応としては、公共的な装置はもとより、さまざまな社会的イベントにおいて、積極的に興奮や熱狂を作り出す、斬新な仕掛けを求めます。

⑦差識化行動・・・欲求、実欲、常欲


欲求」「実欲」「常欲」を求める、さまざまな行動が多様にミックスした生活空間、これこそが私たちの日常生活の実態である以上、供給側にはますますフレキシブルな対応を求めていきます【差識化行動をどう進めるか?】。

以上のような7差化行動を積極的に展開していくこと、これこそが生活民マーケティング(Life Creators marketing)の拡大を意味しています。

2026年7月14日火曜日

Life Creators Marketing24:差識化行動をどう進めるか?

生活民自身が自律・自給回復型の暮らしをめざして、供給側主導の生活市場の商品やサービスをいかに利用していくべきか、という課題を検討してきました。

差延化、差汎化、差元化、差異化、差真化、差戯化と眺めてきましたので、最後はこれらの真ん中に位置する「差識化」を取り上げます。

差識化とは、【差識化行動とは何か?】で述べたように、「欲求」「実欲」「常欲」が認識する、さまざまな有用性の中から、個人的に必要な「ききめ」を判断し、それらを求める生活行動です。

生活世界の真ん中に位置する、あらゆる生活願望の中核から現れる行動で、例えば、欲求レベルの「渇きを潤すため水を飲む」行動、実欲レベルの「衣食住など日常生活の基本となる」行動、常欲レベルの「日常的な生活習慣で暮らす」行動などを意味しています(生活願望・3つの軸から生まれる)。

これらの願望を実現するため、生活民は供給側に何を求めていくべきでしょうか。

●「欲求」行動

無意識次元の動物的、衝動的な「欲動」と、さまざまな「記号」の刺激から生まれる「欲望」の間で、生理的、生物学的な不足状態を解消しようとする生活行動です。

例えば、咽喉が乾くから水を飲む、腹が空いたからパンを食う、寒いからコートを着るなど、一人ひとりの身体の中で「欠如」してくるものを補おうとする行動です。

生活世界の縦軸に対しても、生活民の基本行動は「差延化」ですから、供給側には差延化支援が求められます。飲料水の選択多様化、パン素材の拡大、コート選択肢の拡大といってところでしょう。

●「実欲」行動

世間的な評価を手に入れたいと思う「世欲」と、他人にどういわれようと純私的に満足したいと思う「私欲」の間で、家事、就業、寝食など日常的な生活の中に、実効的な効果や成果を得ようとする生活行動です。

例えば、炊事、洗濯、掃除、作業、業務活動など、社会的名望や純私的な満足を遠ざけた、極めて日常的な生活行動です。

生活世界の横軸に対する、生活民の基本行動は「差元化」ですから、供給側には差元化支援が求められます。味覚をより深める炊事用具、肌触りを深める洗濯機器、臭いを緩和する掃除用具といったところでしょう。

●「常欲」行動

言葉の示す目標へ自らを律する「真欲」と、目標を緩めて遊びや解放を味わう「虚欲」の間に合って、虚実を振り分けつつ日々の暮らしを実現しようとする生活行動です。

例えば、日常的な生活習慣で暮らすこと、曖昧な言葉遣いを気にせず会話することなど、厳しさも面白さもスルーする生活行動です。

生活世界の前後軸に対する、生活民の基本行動は「差延化×差元化」ですから、供給側にも差延・差元化支援が求められます。自律的・感覚的な暮らしを支援するサービス、生活民を戸惑わせないような会話サービスなどでしょう。

以上に挙げた3願望、つまり「欲求」「実欲」「常欲」を求める、さまざまな行動が多様にミックスした次元、これこそが私たちの日常生活の実態である以上、供給側にはますますフレキシブルな対応が求められます。

2026年7月12日日曜日

Life Creators Marketing23:差戯化行動をどう進めるか?:混乱・めまい

差戯化行動の3つめは「混乱・めまい」行動です。

欲動次元の願望に基づくもので、陶酔、酩酊、トランポリンなど虚構空間の中で私的な錯乱状態を求める「めまい」願望(私欲)を基盤に、温泉や気晴らし旅行など体感次元の発散を求める「弛緩」願望(実欲)や、遊園地やカーニバルなどの設備で集団的、社会的に虚脱空間を作りだす「混乱」願望(世欲)が生まれてきます。

生活民がこれらの願望を抱くのは、固定した日常生活の枠組みを一旦外して、生まれたままの時点に立ち戻り、新たな視点からそれぞれの暮らしを再構築していこうとするからです。これらの願望を実現するため、生活民は次のような行動を行います。供給側には何を求めたらいいのでしょうか。

●「めまい」行動

固定化された「識分け」次元を見直すため、「身分け」次元を動揺させて、自分自身を開放しようとする行動です。

知覚・体感的には、スカイスポーツ(ハンググライダーやスカイダイビングなど)やマリンスポーツ(サーフィン、スキューバダイビングなど)、識知解放的には酩酊めまい(アルコール、ドラッグなど)を求めます。

日常生活的な識知基準を外すことが目的であるがゆえに、供給側には危険性の管理が求められます。

●「弛緩」行動

「識分け」次元からの解放をめざして、「身分け」次元をたっぷり回復させようとする行動です。

体感回復的には整体(マッサージ、エステティークなど)、感覚解放的には浮遊(温泉、プールなど)、全身解放的には自然志向(登山、アウトドアなど)を求めます。

「身分け」次元の回復をめざす願望ですから、供給側には「識分け」次元のサービスを的確に縮小することが求められます。

●「混乱」行動

個人次元を超えて、集団的、社会的な次元でも、虚脱空間を作りだそうとする行動です。

社会的な感覚混乱装置(遊園地、特定公園など)、集団的な感覚刷新行事(新しい祭、新カーニバルなど)、都市空間の感覚混乱装置(スポーツカフェ、ミステリアスバーなど)を求めます。

集団的に「身分け」次元の回復をめざす願望ですから、供給側には極めて斬新な装置の、絶間ない提供が求められます。


以上に挙げた「混乱・めまい」行動に対しては、供給側からもすでにさまざまな対応が進められています。具体的な事例については、拙著『人口減少逆張りビジネス』の「9章たわむれ〟需要への差戯化戦略」で詳細に紹介しています。


このように考えてくると、今後の「混乱・めまい」対応としては、「めまい」対策を中心としつつ、「弛緩」「混乱」対策でも、公共的な装置はもとより、さまざまな社会的イベントにおいても、積極的に興奮や熱狂を作り出す、斬新な仕掛けが必要になってくるでしょう。

2026年1月13日火曜日

Life Creators Marketing5:生活民の意識行動とは?

生活“民”マーケティングLife Creators Marketing)の視点から、生活民の自給・自足行動を考えています。

今回も生活世界構造で考えてみると、前回の横軸から縦軸へと広がっていきます。

縦軸は、生活民の意識行動を段階的に捉えたものです。


まず私たち人類が環境世界をどのように掴んでいるのか、という区分を4段階で捉えます。

➀身分け(ミワケ)・・・「身」つまり「身体」という感覚器がつかんだ世界

➁識分け(シワケ)・・・「身分け」した世界を意識によって捉えた世界

➂言分け(コトワケ)・・・「識分け」した世界を言葉によって改めて捉え直した言語的世界

➃網分け(アミワケ)・・・「言分け」した世界に特定の意図による「」をかけて創られた、抽象的世界。捉まれたものは「学識」となる。

4つの仕分けによって、人間の捉えた環境世界は5つに分かれてきます。

ソト界(物質界:physics・・・私たち人間や動物などを取り巻く、五感が捉える前の無感覚的な環境世界。

モノ界(認知界:physis・・・人間が「身分け」で環境世界の中から把握した世界。把握したものは、「無意識」として佇み、されなかったものは「無感覚」として物界に沈む。

モノコト界(識知界:gegonós・・・人間が「識分け」でモノ界の中から認めた世界。認めたものは「意識」の対象となり、されなかったものは「無意識」のままモノ界に沈む。

コト界(言知界:cosmos・・・人間が「言分け」能力でモノ界の中から把握した世界。捉まれたものは「知識」となり、されなかったものは「意識」のままモノコト界を漂う。

❺アミ界(理知界:philosophies・・・「言分け」で把握された世界へ、特定の意図による“網”をかけて創り出された抽象的世界。捉まれたものは「学識」となる。

5つの世界から生まれてくる生活願望は、次の通りです。

➀欲外(apathy・・・無感覚な次元であり、生活願望も未発

➁欲動(drive・・・無意識次元で巻き起こる、動物的、衝動的な願望

➂欲求(want・・・生理的な充足・不足状態を意識が求める願望

➃欲望(desire・・・記号(言葉や知識など)の刺激を受けて誘導的に生まれる願望

➄知欲(interest・・・学識に誘導され、観念的充足を求める願望

5つの生活願望のうち、生活民の自給・自足行動に深く関わっているのは、欲動、欲求、欲望の3つです。

●欲動・・・環境世界に放り込まれた生活民が、最初に反応するのは「身分け」が捉えたものの、「識分け」が未だ掴んでいない「欲動」です。モノ界に漂う、無意識的、動物的、衝動的な願望望です。

●欲求・・・続いて生活民が求めるのは、「識分け」が捉えた「欲求」です。モノコト界から生まれてくる願望で、生理的な不足状態を意識がとらえた願望が中心となります。

●欲望・・・さらに生活民は「欲望」に囚われます。「言分け」が生み出す、さまざまな記号の刺激を受けて、誘導的に生み出される願望です。

3つの生活願望が求める、主な対象は次のとおりです。

❶欲動の対象・・・五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、六感など)

❷欲求の対象・・・機能(性能、効能、作用、特性など)

❸欲望の対象・・・記号(言葉、文字、形、音など)

以上のような生活願望の発生状況を考えると、生活民は縦軸の上で、欲動➔欲望➔欲求の順にさまざまな願望を生み出していることになります。

とすれば、生活民には次のような行動が求められます。

➀生活民自身として、「欲望」だけに捉われることなく、「欲動」や「欲求」への願望に関心を払うこと。

消費市場を提供する供給者に対しては、過剰な記号や機能の供給を超えて、「欲動」や「欲求」を充たせるような素材の提供を強く求めること。

以上のように、生活民マーケティングの縦軸では、「欲動」「欲求」「欲望」の順番で、生活行動が展開されることが期待されています。

従来の供給版マーケティングでは、カラー、デザイン、ネーミング、ストーリー、ブランドなど、「欲望」対応戦略が最重要課題のように喧伝されています。

だが、生活民マーケティングの視点に立てば、生活民11人の「欲動」や「欲求」に応えられるような、「差元化」や「差別化」対応の方が一層求められるでしょう。

2025年11月26日水曜日

生活学・新原論を応用する・・・生活行動

生活学・新原論の論考を整理し、応用分野を展開しています。

今回は「生活願望」と「ネウチ」を応用した「生活行動」論です。

前回述べたように、「生活世界構造」から生まれてくる「生活願望」と「ネウチ」を前提にすると、私たちの生活行動は大きく分けて、差異化、差元化、差延化、差汎化、差真化、差戯化、差識化の7つに分かれてきます。



縦軸・・・上方の「欲望」からは差異化」行動が、下方の「欲動」からは「差元化」行動が生まれます。

横軸・・・左下の「私欲」からは「差延化」行動が、右上の「世欲」からは「差汎化」行動が生まれます。

➂前後軸・・・右下の「真欲」からは「差真化」行動が、左上の「虚欲」からは「差戯化」行動が生まれます。

➃中央・・・「欲求」「実欲」「常欲」から生まれてくる「日欲」からは「差識化」行動が生まれます。


7つの生活行動の要点を整理しておきましょう。

差異化とは、【差異化行動とは何か?】で述べたように、生活願望の「欲望」に対応して、モノやサービスのうえに言語やイメージなど、さまざまな「記号」を求める生活行動です。

事例:常欲レベルでは、作文や日記などの記述。虚欲レベルでは、お気に入りファッションの着用。真欲レベルでは、哲学書の講読など。

差元化とは、【差元化行動とは何か?】で述べたように、生活願望の「欲動」に対応して、記号や機能をあえて外し、身体性や直感性、原始性や動物性などの「身分け」力を回復させる生活行動です。

事例:常欲レベルでは、温浴行動。虚欲レベルでは、夢や幻想などに戯れる行動。真欲レベルでは、自然現象を神や仏として信仰する行動など。 

差延化とは、【差延化行動とは何か?】で述べたように、供給者の差し出す「ききめ」、つまり「共効」を素材として用い、生活民一人ひとりが独自の「ねうち」、つまり「私効」を積極的に創りだす生活行動です。

事例:欲求レベルでは、生活民が自ら行う装飾・塗装行動。欲望レベルでは、メモ帳に自分の論理や理屈を書く行動。欲動レベルでは、自然現象を自ら信仰する行動など。

差汎化とは、【差汎化行動とは何か?】で述べたように、社会、価値、同調などを求める「世欲」に応えて、社会的なネウチや共同体的な価値を創りだす生活行動です。

事例:欲求レベルでは、生活基盤を求めて就業する行動。欲望レベルでは、大学の講義を聴講する行動。欲動レベルでは、夢や幻想を宗教化する行動など。

差真化とは、【差真化行動とは何か?】で述べたように、真実界から生まれてくる、儀礼や儀式、学習や訓練、自制や自律などを求める真欲に応えて、儀式や儀礼、勉学やトレーニング、自省法や内観法などを実行する生活行動です。

事例:欲求レベルでは、生活作法を学ぶ行動。欲望レベルでは、大学などで講義を学ぶ行動。欲動レベルでは、木像信仰を宗教化する行動など。

差戯化とは、【差戯化行動とは何か?】で述べたように、虚構界から生まれてくる弛緩、解放、遊興などを求める虚欲に応えて、虚脱・混乱、浪費・蕩尽、戯化・模擬、ゲーム・競争などを実行する生活行動です。

事例:欲求レベルでは、自作のスマホゲームを発信する行動。欲望レベルでは、黒板やディスプレィに戯画や漫画を描く行動。欲動レベルでは、頭の中で夢や幻想と戯れる行動など。

差識化とは、【差識化行動とは何か?】で述べたように、「欲求」「実欲」「常欲」が“認識”する、さまざまな有用性の中から、個人的に必要な「ききめ」を判断し、それらを求める生活行動です。

事例:欲求レベルでは、渇きを潤すため水を飲む行動。実欲レベルでは、衣食住など日常生活の基本となる行動。常欲レベルでは、日常的な生活習慣で暮らす行動など。

以上のように、生活学・新原論の新視点を応用すると、私たちの生活行動のさまざまな特性が、7つの角度から次々に浮かび上がってきます。

2025年11月12日水曜日

生活学・新原論を応用する・・・生活願望

生活学・新原論の論考を整理し、応用分野を展開しています。

今回は前回の「生活世界構造」を応用した「生活願望」論です。「生活世界構造」から生まれてくる「生活願望」と、その願望が求める「ネウチ」、の2つを整理していきます。



生活願望は、【生活願望・3つの軸から生まれる】で述べたように、生活世界構造の縦軸、横軸、前後軸の3つの軸から生まれてきます。

横軸からは【世欲⇔実欲⇔私欲】が生まれてきます(生活心理を横軸で考える!)。

世欲とは「世間的な評価を手に入れたいと思う願望」、実欲とは「日常的な生活の中で実効的な効果や成果を得たいと思う願望」、私欲とは「他人に何といわれようと純私的に満足したいと思う願望」の3つです横軸が作る3つの生活願望・・・世欲・実欲・私欲

縦軸からは【欲動⇔欲求⇔欲望】が生まれてきます(生活心理を考える・・・意識としての生活世界構造)。

欲動(driveとは「無意識次元で日常的な評価基準を超えた、動物的、衝動的な願望」、欲求(wantとは「生理的な不足状態を意識がとらえた願望」です。欲望(desireとは「記号の刺激を受けて誘導的に生まれる願望」です。

前後軸からは【真欲⇔常欲⇔虚欲】が生まれてきます生活心理・前後軸から考える!)。

真欲とは「言葉の示す目標に自らの行動を律しようとする願望」、常欲とは「真実と虚構を振り分けつつ、日々の暮らしを実現しようとする願望」、虚欲とは「言葉の示す目標を緩めて遊びや解放を味わおうとする願望」です。

➃3つの軸に交点では【実欲・欲求・常欲】が重なって、最も日常的な【日欲】が生まれてきます(七つの生活願望とは何か?)。

日欲とは「欲求をベースに実効性や虚実性を共に求める願望」です。

以上のように、私たちの生活願望は7つに整理できます。

これらの願望が求めるネウチを考えると、次のようになります(ネウチ観を考える!)。

横軸・・・世欲では「価値」、実欲では「効用」、私欲では「効能」がそれぞれ求められます。

価値(Valueとは「社会集団が共同主観として認めている共効(共同的有用性:social Utility)」、効用(Utilityとは「生活民が一人の個人として、社会的効用を受け入れる個効(個人的有用性:Individual Utility)」、効能(Effectとは「生活民が一人の私人として独自に創り出した私効(私的有用性:Private Utility)です。

縦軸・・・欲動では「差元」、欲求では「差別」、欲望では「差異」がそれぞれ求められます(差元化とは何か?差別化とは何か?差異化とは何か?)。

差元」とは「身体性や直感性、原始性や動物性などの“身分け”力を求める願望」、「差別」とは「新たな機能・性能・品質を求める願望」、「差異」とは「言語やイメージなど新たな“記号”求める願望」です。

前後軸・・・真欲では「差真」、常欲では「差識」、虚欲では「差戯」がそれぞれ求められます(差真化行動とは何か?差識化行動とは何か?差戯化行動とは何か?

差真」とは「儀式や儀礼、勉学やトレーニング、自省法や内観法などを求める願望」、「差識」とは「さまざまな有用性の中から、個人的に必要な“ききめ”を求める願望」、「差戯」とは「虚脱や蕩尽、戯化や模擬、ゲームや競争などを求める願望」です。

交点部・・実欲、欲求、常欲の交差する日欲では「差識」が求められます。

差識」はさまざまな有用性の中から、日常的に必要な「ききめ」を求める願望です。

以上のように、この原論の「生活世界構造」を基盤にすると、人間の求める、さまざまな「生活願望」と、その願望に対応する、ほとんどのネウチ、つまり生活上の期待形態がじわじわと浮かび上がってきます

2025年9月27日土曜日

生活学・新原論・ひとまずまとめ!

ほぼ1年半にわたり「生活学・新原論」を展開してきましたので、ここでひとまず、基本的な方向を整理しておきましょう。

新原論Ⅰ・生活主体・・・「生活民」を提案しました。

生活民とは、市場社会のユーザーを超えて、市場の成立以前から存在した、自立的な人間像を意味しています。「自給自立人」という発想ですから、英訳すれば「Self-helper」になるでしょう。

新原論Ⅱ・生活意識・・縦軸、横軸、前後軸の3視点で意識構造を捉えます。

縦軸では未知界~認知界~識知界~言知界~理知界の5つの認識行動、横軸では社会界~間人界~個人界の3つの対応行動、前後軸では真実界~日常界~虚構界の3つの世界が浮上し、3軸をクロスさせた立方体を生活民の意識構造と考えます。

新原論Ⅲ・生活世界構造・・・3軸をクロスした立方体を、生活民の意識構造から拡大し、最も基本的な生活世界へと展開していきます。

言葉が創り出す、3つの軸で構成される生活世界構造。これこそが、生活民の心理、願望、行動などが生まれてくる基盤となります。

新原論Ⅳ・生活願望論・・・生活世界構造から7つの願望が浮上してきます。

私たちの生活願望は、欲望~欲求~欲動、世欲~実欲~私欲、真欲~常欲~虚欲の9つに分けられ、欲求・実欲・常欲を「日欲」とまとめると、7つに整理できます。

新原論Ⅴ・生活行動論・・・生活願望を基盤にすると、生活民の生活行動は7つの行動として展開されることになります。

生活願望の構造からは、差識化、差異化、差元化、差延化、差汎化、差真化、差戯化の、7つの生活行動が生まれてきます。

新原論Ⅵ・生活空間論・・・生活民の居住空間もまた、7つの生活願望に基づいて、7つの要素に分かれてきます。

差識化では最も基本的な居住「住み家」、差異化では家屋のデザインや屋内の家具意匠、差元化では家屋への直感や雰囲気、差延化では自室や寝室への自作行動、差汎化では改造可能性の高い居室やDIY先導型の家具、差真化では学びや信仰のための住居や家具、差戯化では遊びや休養のための別荘や家具などが、それぞれ求められます。

新原論Ⅶ・生活時間論・・・生活民の生活時間についても、7つの生活願望に基づいて、7つの要素に分かれてきます。

生活世界構造で生活時間統計を読み解くと、【感覚⇔観念】の比重、つまり上下活動(感覚的・無意識的行動⇔記号的・意識的行動)が中心であり、この軸に生活時間消費の核心が潜んでいることがわかります。

新原論Ⅷ・生活コスト論・・・生活世界構造で家計調査を分析すると、私たちの暮らしの重層的な構造が浮かび上がってきます。

コスト構成の基本的傾向としては、差元化(食料、寝具、下着、医療など)、差識化(家賃、光熱費、消耗品、雑費など)、差汎化(交通、通信、交際など)の3つが高い順に並び、続いて差戯化(菓子、酒類、外食など)、差真化(教育、教養など)、差異化(装飾品、ファッション、通信など)、差延化(理美容、身のまわりなど)の順となっています。

以上のように、新原論の原点では、新たな生活主体としての「生活民」の立場から、衣食住などへの生活願望、生活時間、生活コストなどの基本要素を見直すことができました。

この延長線上では、どのような展開が可能なのでしょうか。

2025年9月17日水曜日

生活学・新原論Ⅷ-6:生活コスト論を振り返る!

生活学・新原論では、8番目の検討項目として「生活コスト論」を考えてきました。

総務省統計局の「家計調査年報・家計収支編」をベースに、当ブログの「生活世界構造」の視点に基づき、➀10年間の変化、➁複合世帯と単身者、➂単身者の男性と女性、➃単身者の年齢別消費について、7差化の動向を分析しました。

10年間の変化では、差元化と差戯化で自宅内・家庭内での生活コストが増える一方、差異化、差延化、差汎化では、外部や外見などへの支出を減らす傾向が見られました。

複合世帯と単身者を比較すると、前者では差元化と差真化が、後者では差識化、差延化、差戯化がそれぞれ高く、背景には世帯人数、育児・教育費、嗜好消費などの違いが読み取れました。

単身者の性別を比べると、男性では差戯化や差汎化など、外向きの消費傾向が強く、女性では理美容消費の差延化や、差識化や差元化など、内向き消費が多いようです。

単身者の年齢別では、「~34歳」の若い世代は居住や遊びなどに、「35~59歳」の中年世代は交通費や交際費などに、「60歳~」の高齢世代は医療費や交際費などに、それぞれが生活行動の重点を置いている、などがわかりました。

以上のような傾向を「生活世界構造」として判読すると、次のような生活態様が浮かんできます。

❶コスト構成の基本的傾向としては、差元化、差識化、差汎化の3が高い順に並び、続いて差戯化、差真化、差異化、差延化の順となっています。

上位の3つ、差元化(食料、寝具、下着、医療など)、差識化(家賃、光熱費、消耗品、雑費など)、差汎化(交通、通信、交際など)は、活の基本的な消費を示しており、身体維持を基本としつつ、外部的な交流が求められているようです。

下位の4つ、差戯化(菓子、酒類、外食など)、差真化(教育、教養など)、差異化(装飾品、ファッション、通信など)、差延化(理美容、身のまわりなど)は、個人的な嗜好性に基づく生活志向を示しています。

下位前半の差戯化と差真化は、心理的、あるいは精神的な消費の比重を示しており、遊びなどの方が勉学よりも多少多く求められるようです。しかし、差戯化と差真化に相当する消費データは、「家計調査年報」では「教養娯楽用品・サービス等」として一括集計されていますので、両者の強弱を正確に把握することはできません

下位後半の差異化と差延化は、純個人的な趣味や独創性の比重を示しており、生活世界の主体である生活基盤の強弱を表わしているようです。

このように整理してみると、「生活世界構造」による「生活コスト」分析によって、私たちの暮らしの深層的な構造が、朧げながらも浮かび上がってきます。

2025年9月5日金曜日

生活学・新原論Ⅷ-5:単身者・年齢別消費を比較する!

新原論の生活コスト分析では、前回の「単身者・男性×女性」に続いて、今回は「単身世帯の年齢階層」を検討してみます。

●基本データ

日本の単身世帯は2,296万世帯(総世帯数の40%)で、「~34歳」が627万世帯(27%)、「35~59歳」が702万世帯(31%)、「60歳~」が967万世帯(42%)です(国立社会保障・人口問題研究所・日本の世帯数の将来推計:2025)。

➁生活コストのデータは、総務省統計局の「家計調査年報・家計収支編:2024年」の「男女・年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯)」です。

➂集計対象となったサンプル数649人で、「~34歳」が68世帯(平均年齢:27.7)、「35~59歳」が121世帯(同:50.6)、「60歳~」が460世帯(同:75.1)です。

有業者比率は、「~34歳」が99、「35~59歳」が90、「60歳~」が23です。

➄1ヵ月当たりの消費支出額は、「~34歳」が176,160、「35~59歳」が184,750、「60歳~」が159,249、平均が169,547です。

以上のようなデータを基に、年齢階層別の消費傾向を当ブログの「7差化」で比較してみましょう(前回と同じく、教養娯楽データは「差真化」と「差戯化」に等分しています)。

●消費傾向比較

➀生活行動で見ると、差識化では「~34歳」(主に居住関係費が高い)、差元化では「60歳~」(主に医療費が高い)、差異化では年齢差なし、差汎化では「35~59歳」(主に自動車等関係費が高い)、差延化では「~34歳」(主に理美容関係費が高い)、差真化差戯化では「~34歳」(主に教育費と娯楽費が高い)と、それぞれの階層の比重が高いようです。

➁年齢階層で見ると、「差元化」「差汎化」「差戯化」でバラつきが大きく、それ以外ではほぼ同様の比率を示しています。

➂「~34歳」では「差識化」「差延化」「差真化」「差戯化」が平均値より高く、「差元化」と「差汎化」が下回っています。

➃「35~59歳」では「差汎化」と「差戯化」が平均値より高く、それ以外はほとんど低い状況です。

➄「60歳~」では「差元化」が平均値より高いのですが、それ以外はすべて低い状態で、とりわけ「差戯化」は最低です。

こうして生活コストのデータを見てくると、「~34歳」の若い世代は居住や遊びなどに、「35~59歳」の中年世代は交通費や交際費などに、「60歳~」の高齢世代は医療費や交際費などに、それぞれの世代の生活行動の重点が浮かび上がってきます。