新原論の生活コスト分析では、前回の「単身者・男性×女性」に続いて、今回は「単身世帯の年齢階層」を検討してみます。
●基本データ
➀日本の単身世帯は2,296万世帯(総世帯数の40%)で、「~34歳」が627万世帯(27%)、「35~59歳」が702万世帯(31%)、「60歳~」が967万世帯(42%)です(国立社会保障・人口問題研究所・日本の世帯数の将来推計:2025)。 ➁生活コストのデータは、総務省統計局の「家計調査年報・家計収支編:2024年」の「男女・年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯)」です。 ➂集計対象となったサンプル数は649人で、「~34歳」が68世帯(平均年齢:27.7歳)、「35~59歳」が121世帯(同:50.6歳)、「60歳~」が460世帯(同:75.1歳)です。 ➃有業者比率は、「~34歳」が99%、「35~59歳」が90%、「60歳~」が23%です。 ➄1ヵ月当たりの消費支出額は、「~34歳」が176,160円、「35~59歳」が184,750円、「60歳~」が159,249円、平均が169,547円です。 |
以上のようなデータを基に、年齢階層別の消費傾向を当ブログの「7差化」で比較してみましょう(前回と同じく、教養娯楽データは「差真化」と「差戯化」に等分しています)。
●消費傾向比較
➀生活行動で見ると、差識化では「~34歳」(主に居住関係費が高い)、差元化では「60歳~」(主に医療費が高い)、差異化では年齢差なし、差汎化では「35~59歳」(主に自動車等関係費が高い)、差延化では「~34歳」(主に理美容関係費が高い)、差真化と差戯化では「~34歳」(主に教育費と娯楽費が高い)と、それぞれの階層の比重が高いようです。 ➁年齢階層で見ると、「差元化」「差汎化」「差戯化」でバラつきが大きく、それ以外ではほぼ同様の比率を示しています。 ➂「~34歳」では「差識化」「差延化」「差真化」「差戯化」が平均値より高く、「差元化」と「差汎化」が下回っています。 ➃「35~59歳」では「差汎化」と「差戯化」が平均値より高く、それ以外はほとんど低い状況です。 ➄「60歳~」では「差元化」が平均値より高いのですが、それ以外はすべて低い状態で、とりわけ「差戯化」は最低です。 |
こうして生活コストのデータを見てくると、「~34歳」の若い世代は居住や遊びなどに、「35~59歳」の中年世代は交通費や交際費などに、「60歳~」の高齢世代は医療費や交際費などに、それぞれの世代の生活行動の重点が浮かび上がってきます。
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