2023年7月30日日曜日

ドローンをどこまで使いこなせるか?

ハイテクツールの8番めは、ドローン(droneを取り上げます。

ドローンとは無人飛行機の総称で、飛行機型、ヘリコプター型、マルチコプター型(複数プロペラ搭載)などがありますが、操作性や安定性の面から、現在ではマルチコプター型が主流となっています。

作動方法としては、専用のコントローラー、スマートフォン、タブレット端末などによる遠隔操作や、プログラムを使った自律制御や自立飛行なども行われています。

センサーカメラが搭載でき、荷物運搬も可能なため、さまざまな分野での活用が期待されています。

現在のところ、主な用途は次の3つに整理できます。

撮影・測量・・・空撮地図、報道、エンターテインメントなど

監視・観察・・・警備・捜索、災害調査、工事メンテナンスなど

運搬・散布・・・農薬・肥料散布、物流・配送など

 

以上のような機能を前提にすると、私たち生活民の生活構造(「生活体」の3つの軸)の中で、ドローンは次のような位置を占めていることになります。


①感覚・言語軸(縦軸)


人工的に身分けされた対象を、図像として言知・理知化できる。

❷人工的に身分けされた対象を、思考対象にできる。

❸人工的に身分けされた対象へ、行動を加えることができる。

 

②個人・社会軸(横軸)


❶人工的な身分け機能によって、社会的なラング状態を判断できる。

❷制御機能を使って、予定されたパロール1行為を遂行できる。

❸制御機能を使って、ユーザー独自のパロール2行為を遂行できる。

 

③真実・虚構軸(前後軸)


❶人工的な身分け機能を元にして、ユーザーが識分けし、モノコトの虚実を判断できる。

❷真実の動向を映像上の動向として受け入れる。

❸虚構の映像(真実の闘争ではなく遊戯のゲーム)を仮想事象として受け入れる。

以上のような特性から考えると、現時点のドローンというハイテクツールでは、「見る」という視覚代行と、「届ける」という行動代行が中心になっているようです。

今後の社会では人口減少、高齢化、孤立化、労働力減少、自然・社会災害増加などが予想される以上、ドローンというハイテクツールには、生活財や緊急財の配送、あるいは国土設計・建造などへ応援といった分野への、さらなる援用が期待されるでしょう。

2023年7月9日日曜日

アンドロイドは夢など見るか?

ハイテクツールの8番めは、アンドロイド(androidを取り上げます。

アンドロイドとは、人間型ロボット、つまりヒューマノイドロボットの一種です。

古典ギリシャ語の「andros:人間、男性」と「eidos :そっくり」を組み合わせた造語で、機械仕掛けの人間型ロボットのうち、外観が人間の姿に似ているものを意味します。

未だ開発途上にあり、先行している事例として、受付業務、説明業務、介護補助業務など、主に会話交流手段として使われ始めています。

その効用と限界を評価するのはいささか早すぎるかと思いますが、現在の時点で、アンドロイドの特性を、私たち生活民の生活構造(「生活体」の3つの軸)の立場から展望しておきましょう。

 

①感覚・言語軸(縦軸)



❶アンドロイドの会話や動作に使われている言葉は、言分け・網分けによって得られた情報に限定されている。

❷自然人の得ている情報は、身分け・識分け・言分け・網分けの全てのプロセスを通じて得られたものである。

❸両者が会話や動作で情報を交換する場合、言知界と理知界の情報に限られる。

 

②個人・社会軸(横軸)



❶アンドロイドの会話や動作に使われている言葉は、ラングとパロール1に限定されており、パロール2には届いていない。

❷自然人の使う言葉や動作は、ラング、パロール1はもとより、パロール2に及んでいる。

❸両者が会話や動作で情報を交換する場合、ラング、パロール1に限られる。

 

③真実・虚構軸(前後軸)



❶アンドロイドの行う会話や行動は、あくまでも虚構である。

❷自然人が行う会話や動作には、虚構と真実、両者の混在した曖昧の、いずれも含まれている。

❸両者が会話や動作で情報を交換する場合、虚構と虚実混交を前提にして行なわれる。

 

以上にあげた3次元を前提にすると、アンドロイドの限界が見えてきます。

50年も前、米国のSF作家P.K.ディックが『アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 』1968年)と問いかけていましたが、本当に見られたのでしょうか。

自然人が夢を見られるのは、身分け・識分けで得られた情報を、言分けする前の無意識として、心の底に沈潜させ、意識が薄まった時に浮上させるからです。

自然人には識分けを行う主体、例えば仏教・唯識論上の末那識が備わっており、これによって、無意識の中からイメージや音声を浮上させているのです。 

ところが、アンドロイドとなると、末那識を持たせることなど、かなり困難だと思います。膨大なイメージ、音声、言語などは貯蔵していますが、それらを選別する主体となると、これまた予め設計されたプログラムに頼ることになります。これでは、意識された対象の選別はできたとしても、意識されない対象の選別まではとても無理ではないでしょうか。 

アンドロイドもまた、人工知能のクオリア(qualia:感覚質)を持っているから、それが望む時には蓄積情報を選別し、意識上へ浮上させ得るだろう、という意見もありますが、クオリア自体の“望む”こと、それこそが難しいのです。

とすれば、「アンドロイドは夢を見られない」のではないでしょうか。

最先端技術としてアンドロイドを開発しておられる方々には、失礼かとは思いますが、「アンドロイドは夢など見られない!」と敢えて申し上げておきましょう。