2026年3月27日金曜日

Life Creators Marketing13:差汎化行動をどう進めるか?

生活民自身は供給主導型の消費市場をどのように利用していくべきか、「差延化」の5つの行動が終りましたので、今回は「差汎化」を検討します。

差汎化(generalizeとは【差汎化動とは何か?】で述べたように、生活民自身が新たな社会性、価値、同調などを求める「世欲」を充たすため、社会的なネウチや共同体的な価値を要求する生活行動です。

いいかえれば、前回までの「差延化(手作り、変換、編集、参加、私仕様)」行動で生み出された、新たな個人的「効能」を、より広く社会的な「価値」へ拡大していこうとする行動、ともいえるでしょう。

具体的な事例を挙げていきます。

●食生活

調味料をそのまま食材化する行動を、商品化させる(例:食べるラー油)

クッキーを砕いてアイスに混ぜて食べる行動を、商品化させる(例:クッキーアンドクリームアイス)

ポテトチップスにピザ味を求める行動を、商品化させる(例:ピザポテトチップス)

●衣生活

マニアックな衣料を求める行動を、商品化させる(例:㈱ワークマンのアンバサダー共同開発、焚き火に燃えにくいキャンプウェア、撥水機能の高いリュックなど)

ジーンズに穴を開けたり擦り切れるスタイルを、商品化させる(例:Levi'sなど)

上着にポケットを増やす、補強する、防水性を高めるなどの行動を、商品化させる(例:パタゴニアの多機能ポケット付きジャケットなど)

●住生活

身体にフィットするようにソファの形を自由に変える行動を、商品化させる(例:無印良品・体にフィットするソファ)

パーツを自由に追加・変更して「自分だけの家具」に改造する行動を、商品化させる(例:IKEADELAKTIG series

借りたい家の希望や条件を提示して大家を募る行動を、サービス化する(例:㈱ On-Coのさかさま不動産)


以上に挙げた「差汎化」行動に対しては、供給側からもすでにさまざまな対応が進められています。具体的な事例については、拙著『人口減少逆張りビジネス』で詳しく紹介しています。

こうしてみると、供給主導の消費市場において、生活民が「差汎化」行動を広げていくには、インターネットや生成AIなどを積極的に応用して、供給側に生活民の差延化行動を告知するとともに、適正な費用設定を創り上げていくことが求められるでしょう。

2026年3月18日水曜日

Life Creators Marketing12:差延化「私仕様」行動をどう進めるか?

生活民自身は、供給主導型の消費市場をどのように利用していくべきか、「差延化」の5つの行動を検討しています。

5番めは「私(わたくし)仕様」行動です。私仕様(customizeとは、消費市場が提供する商品やサービスの〝最大共通素〟的な「共効」だけでは満足せず、オーダーやセミオーダーなどで、自分自身の「私効」を実現しようとする行為です。

具体的な事例は【私仕様・・・生活民はいかに付き合うか?】で触れていますが、生活民という立場からから見れば、次のように展開すべきでしょう。

食生活

加工食品市場では、用途が定められた食品の他に、自分なりの好みを実現するため、生活民は提供者に様々な注文を付けて、純個人的な商品を求めます。

こうした動きは、オーダーメイドハム、オーダーメイド醤油、オーダー味噌などで始まっていますが、今後は品種を広げるとともに、適切な費用設定を求めるべきでしょう。

衣生活

紳士服では一般的だったオーダーパターンオーダーが、最近では婦人服や子ども服にも広がっています。

また紳士服ではインターネットを利用したネットオーダーが始まり、婦人服では店頭での簡易なオーダーを積極的に利用する生活民も増えています。

カジュアル衣料でも、店頭で生地から縫製までをオーダーし、約1ヶ月後に届くオリジナルTシャツ、カスタムオーダー水着、デザインやカラーを選べる矯正用下着などが先行しています。

シューズでは、色やデザインを自由に選べるスポーツシューズや、特注で作る紳士靴や婦人靴なども、店頭やネットで既に始まっています。

住生活 

衣料と共に古くから特注行動が多かった家具分野では、居室にぴったり合った作り付けの家具や、こだわりの強いユーザーが材質やデザインの家具を、店頭で特注する行動が増えています。

最近では、インターネットを利用したオンデマンド・サービスが始まり、今後は大きく伸びていくでしょう。

●移動生活

自動車では、既製の乗用車を自分の好みに改造するカスタムカーサービスや、ユニークなデザインカーを小規模メーカーにオーダーする生活民が増えています。

またバイクや自転車でも、独自の機能やデザインをオーダーする生活民が増えています。

その他の分野

生活民の私仕様願望が増加するにつれて、供給者側でもインターネットユーザーの意見を拾い集め、新たな商品の開発に活かす「ネット商品開発」が広がっています。

家電、腕時計、照明器具といった機能的商品から、バッグ、下着、エプロンなどファッション関連商品にまで、急速に拡大しています。


以上に挙げた「私仕様」行為に対しては、供給側からもすでにさまざまな対応が進められています。具体的な事例については、拙著『人口減少逆張りビジネス』で詳しく紹介しています。



こうしてみると、供給主導の消費市場において、生活民が「私仕様」行動を広げていくには、インターネットや生成AIなどを積極的に応用して「カスタマイズ」市場を拡大するとともに、適正な費用設定を創り上げていくことが求められるでしょう。

2026年3月6日金曜日

Life Creators Marketing11:差延化の「参加」行動をどう進めるか?

生活民自身は、供給主導型の消費市場をどのように利用していくべきか、「差延化」の5つの行動を検討しています。

4番めは「参加」行動です。参加とは、生活民自身が、供給側の提供する商品を7~8割程度の素材とみなし、残りの2~3割を自らの参加によって完成品へと変換する行動です。

具体的な事例は【「参加」・・・生活民はこのように付き合え!】で触れていますが、生活民という立場からから見れば、次のようになります。

衣生活

生活民が「こんなふうに作ってほしい」というデザインを、アパレルショップやデパートなどに準備されたコンピューター・グラフィックスで確認し、そのうえでオーダーします。デザイン参加型のファッションともいえるでしょう。

食生活

生活民がウヰスキー蒸溜所の体験教室に参加し、1~2日の醸造作業で自分の好みにあったマイウィスキーを作りあげます。

日本酒でも、生活民が醸造会社の主催するマイ日本酒教室に参加し、原料となる稲の田植えから刈り取りから、酒の仕込みや試飲などにも数回出席して、できあがった酒をマイボトルに入れて持ち帰ります。

住生活

DIY(ドゥー・イット・ユアセルフ)志向が強い生活民が、ホームセンターなどで関連商品を買ってきて、組み合わせ家具や、好みの植栽を自ら創るガーデニングなどを実現させます。

また温水洗浄便座やエアコンなどで、メーカー予め製造したカラー部品を、生活民自身がいろいろ考えて組み合わせ、多様なカラーバリエーションを楽しみます。

ハイテクツール

生活民自身が家電店やネット通販などでさまざまな部品を購入し、ネット上のマニュアルなどに習って、自らパソコンを組み立てます。

その延長上で、今後はさらに自分好みのロボット製作への参加も予想されます。電子工作専門店やオンライン小売店で部品を購入し、マニュアルなどに従って、専用ソフトで動かすロボットにも挑戦するでしょう。


以上に挙げた「参加」行為に対しては、供給側からもすでにさまざまな対応が進められています。具体的な事例については、拙著『人口減少逆張りビジネス』で詳しく紹介しています。


このような行動によって、供給者主導型の消費市場も、生活民マーケティングとの折り合いを少しずつ深めていくことになるでしょう。