生活民自身は、供給主導型の消費市場をどのように利用していくべきか、「差延化」の5つの行動を検討しています。
5番めは「私(わたくし)仕様」行動です。私仕様(customize)とは、消費市場が提供する商品やサービスの〝最大共通素〟的な「共効」だけでは満足せず、オーダーやセミオーダーなどで、自分自身の「私効」を実現しようとする行為です。
具体的な事例は【私仕様・・・生活民はいかに付き合うか?】で触れていますが、生活民という立場からから見れば、次のように展開すべきでしょう。
食生活
加工食品市場では、用途が定められた食品の他に、自分なりの好みを実現するため、生活民は提供者に様々な注文を付けて、純個人的な商品を求めます。 こうした動きは、オーダーメイドハム、オーダーメイド醤油、オーダー味噌などで始まっていますが、今後は品種を広げるとともに、適切な費用設定を求めるべきでしょう。 |
衣生活
紳士服では一般的だったオーダーやパターンオーダーが、最近では婦人服や子ども服にも広がっています。 また紳士服ではインターネットを利用したネットオーダーが始まり、婦人服では店頭での簡易なオーダーを積極的に利用する生活民も増えています。 カジュアル衣料でも、店頭で生地から縫製までをオーダーし、約1ヶ月後に届くオリジナルTシャツ、カスタムオーダー水着、デザインやカラーを選べる矯正用下着などが先行しています。 シューズでは、色やデザインを自由に選べるスポーツシューズや、特注で作る紳士靴や婦人靴なども、店頭やネットで既に始まっています。 |
住生活
衣料と共に古くから特注行動が多かった家具分野では、居室にぴったり合った作り付けの家具や、こだわりの強いユーザーが材質やデザインの家具を、店頭で特注する行動が増えています。 最近では、インターネットを利用したオンデマンド・サービスが始まり、今後は大きく伸びていくでしょう。 |
●移動生活
自動車では、既製の乗用車を自分の好みに改造するカスタムカーサービスや、ユニークなデザインカーを小規模メーカーにオーダーする生活民が増えています。 またバイクや自転車でも、独自の機能やデザインをオーダーする生活民が増えています。 |
その他の分野
生活民の私仕様願望が増加するにつれて、供給者側でもインターネットでユーザーの意見を拾い集め、新たな商品の開発に活かす「ネット商品開発」が広がっています。 家電、腕時計、照明器具といった機能的商品から、バッグ、下着、エプロンなどファッション関連商品にまで、急速に拡大しています。 |
こうしてみると、供給主導の消費市場において、生活民が「私仕様」行動を広げていくには、インターネットや生成AIなどを積極的に応用して「カスタマイズ」市場を拡大するとともに、適正な費用設定を創り上げていくことが求められるでしょう。

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