差戯化行動の3つめは「混乱・めまい」行動です。
欲動次元の願望に基づくもので、陶酔、酩酊、トランポリンなど虚構空間の中で私的な錯乱状態を求める「めまい」願望(私欲)を基盤に、温泉や気晴らし旅行など体感次元の発散を求める「弛緩」願望(実欲)や、遊園地やカーニバルなどの設備で集団的、社会的に虚脱空間を作りだす「混乱」願望(世欲)が生まれてきます。
生活民がこれらの願望を抱くのは、固定した日常生活の枠組みを一旦外して、生まれたままの時点に立ち戻り、新たな視点からそれぞれの暮らしを再構築していこうとするからです。これらの願望を実現するため、生活民は次のような行動を行います。供給側には何を求めたらいいのでしょうか。
●「めまい」行動
固定化された「識分け」次元を見直すため、「身分け」次元を動揺させて、自分自身を開放しようとする行動です。 知覚・体感的には、スカイスポーツ(ハンググライダーやスカイダイビングなど)やマリンスポーツ(サーフィン、スキューバダイビングなど)、識知解放的には酩酊めまい(アルコール、ドラッグなど)を求めます。 日常生活的な識知基準を外すことが目的であるがゆえに、供給側には危険性の管理が求められます。 |
●「弛緩」行動
「識分け」次元からの解放をめざして、「身分け」次元をたっぷり回復させようとする行動です。 体感回復的には整体(マッサージ、エステティークなど)、感覚解放的には浮遊(温泉、プールなど)、全身解放的には自然志向(登山、アウトドアなど)を求めます。 「身分け」次元の回復をめざす願望ですから、供給側には「識分け」次元のサービスを的確に縮小することが求められます。 |
●「混乱」行動
個人次元を超えて、集団的、社会的な次元でも、虚脱空間を作りだそうとする行動です。 社会的な感覚混乱装置(遊園地、特定公園など)、集団的な感覚刷新行事(新しい祭、新カーニバルなど)、都市空間の感覚混乱装置(スポーツカフェ、ミステリアスバーなど)を求めます。 集団的に「身分け」次元の回復をめざす願望ですから、供給側には極めて斬新な装置の、絶間ない提供が求められます。 |
このように考えてくると、今後の「混乱・めまい」対応としては、「めまい」対策を中心としつつ、「弛緩」「混乱」対策でも、公共的な装置はもとより、さまざまな社会的イベントにおいても、積極的に興奮や熱狂を作り出す、斬新な仕掛けが必要になってくるでしょう。














