LC(Life Creators)Marketingの8大ポイントを、前回のブログで提案しました。
このような生活行動を、生活民自身が供給側主導の生活市場に向けて、実際に応用していくには、どのようにすればいいのでしょうか。自律・自給回復型の暮らしをめざすには、供給側の差し出す商品やサービスをいかに利用していくべきか、という課題が浮上してきます。
まずは最も基本となる差延化行動。【差延化行動とは何か?】で述べたように、供給者の差し出す「ききめ」、つまり「共効」を素材として、生活民一人ひとりが独自の「ねうち」、つまり「私効」を積極的に創りだす生活行動、を意味しています。
この行動には、【差延化5行動の関係を考える!】で示したように、私仕様、参加、手作り、編集、変換など、主に5つがあります。これらの行動を生活市場に向けて、どのように実行していくべきでしょうか。
中核となる「手作り」は「自分の手で作る」ことであり、まさに自給自足の典型です。とはいえ、私たちが生きている、現在の市場社会ではほとんど不可能です。
自ら水田へ行って田植えをし、収穫した籾を脱穀・精米してご飯を炊く、という単純な行為でさえ、今では容易なことではありません。スーパーでお米を買ってきて、炊飯器で手ずから炊き上げるのが精一杯の「手作り」です。
それゆえ、イマドキの「手作り」とは、購入してきた素材に何らかのカタチで自らの手を加え、最終的な生活財に作り上げる、という程度でしょう。言い換えれば、5割の素材に5割の手作りを加えて、目的のモノを作りだす、ということになります。
●食生活分野
| 食生活分野でいえば、私有農園や家庭菜園などで、自ら米麦や野菜を栽培するのが基本ですが、それには種や苗、あるいは肥料や農具などを購入してきたうえで、育成ノウハウを養わなければなりません。 食品や飲料などを手作りする場合でも、素材や器具などを備えたうえで、調理ノウハウを訓練することが必要です。 もっともこの分野では、供給側からもさまざまな対応が始まっているようです。一例を挙げれば、手作りのパン、味噌、豆腐、燻製、ビール、ワイン、日本酒、焙煎コーヒー、ハーブ、ヨーグルトなどでは、適切な素材やノウハウを供給側が提供して、生活民の差延化行動を支援しています。 |
●衣料分野
| 衣料分野では、裁縫や編み物などで、自作の衣料を作り出すことが基本ですが、現代の高度な消費社会では、ほとんど行われていません。 とはいえ、個性にこだわる生活民の中には、自らの手で作る自作ファッションを始める人も生まれています。変わった布地で好みのデザインの服を自作したり、古着を加工して全く新しい衣装を作り出すもので、裏原宿あたりの若者の間で流行しています。このためか、一時は不振だったミシンが、再び売れ始めているようです。 |
●住生活分野
| 住生活分野では、住宅や家具などを自前で作る行動が該当します。 実例としては、ログハウスに代表されるセルフビルド住宅が代表的な事例であり、建設を指導する学校や、素材キットを販売するメーカーなどが既に登場しています。 また古家具にペインティングして再生するトールペインティング、多様な素材を再活用して立体的な額縁を作るデコパージュ、型紙を切り抜いて古着や古道具などに印刷するステンシルなどのニュー手芸など、手作り家具の分野でも製作指導教室が全国的に増えています。 |
◆共有側からの対応事例
以上に挙げた、供給側からの具体的な事例については、拙著『人口減少逆張りビジネス』で詳しく紹介しています。 |
このように振り返ると、手作り行動は供給側の主導する消費社会においても、それなりの復活を果たしているようです。これこそ、需給逆転時代の生活民マーケティング、その先端といえるでしょう。











