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2025年2月22日土曜日

生活学・新原論Ⅵ-2:生活空間論:居住空間の差元化

生活空間論の2番めは「居住空間の差元化」、つまり居住空間の感触や風情などについて考えます。

差元化とは【生活学・新原論Ⅴ-:差元化行動とは何か?】で述べたように、生活願望の「欲動」に対応して、身体性や直感性、原始性や動物性などの「身分け」力を回復させようとする生活行動です。

こうした行動を居住空間に当てはめると、家屋への直感や雰囲気などが対象になってきます。

差元化行動は、上記の【新原論Ⅴ-2】で示したように、9つの行動に分かれていますので、それぞれの行動が生活空間に何を求めるのか、を考えてみましょう。

●上段の「虚欲」段では、中央の「遊び心地」を挟んで、「夢心地」と「チャラチャラ」が求められます。

私欲・虚欲・欲動では「夢心地」な気配、つまり所有者が機能や用途よりも自分だけに感じ取れるような気配や雰囲気などを求めます。

実欲・虚欲・欲動では「遊び心地」のある気配、つまり所有者が遊びや楽しさを感じ取れるような気配や雰囲気などを求めます。

世欲・虚欲・欲動では「チャラチャラ」とした気配、つまり所有者が遊びや楽しさを他人に誇示できるような気配や雰囲気などを求めることになります。

●中段の「常欲」段では、中央の「住み心地」を挟んで、「居心地」と「居住まい」が求められます。

私欲・常欲・欲動では「居心地」のよい気分、つまり所有者が自分だけに快適と感じ取れるような、住まいの気配や雰囲気などを求めます。

実欲・常欲・欲動では「住み心地」のある気配、つまり所有者が満足できるような、住まいの気配や雰囲気などを求めます。

世欲・常欲・欲動では「居住まい」の高い気配、つまり所有者が他人に誇示できるような、住まいの気配や雰囲気などを求めることになります。

●下段の「真欲」段では、中央の「まじめさ」を挟んで、「まおもて」と「神々しさ」が求められます。

私欲・真欲・欲動では「まおもて」な気分、つまり所有者が自分だけに真面(まとも)と感じ取れるような、住まいの気配や雰囲気などを求めます。

実欲・真欲・欲動では「まじめさ」のある気配、つまり所有者自身が誠実と感じられるような、住まいの風格や雰囲気などを求めます。

世欲・真欲・欲動では「神々しさ」のある気配、つまり所有者が他人に誇示できるような、住まいの気高さや神秘性などを求めることになります。

以上で述べた、9つの差元化行動を、具体的な事例として考えてみると、次表のようになります。

生活民の差元化行動から居住空間への対応を考察した場合、以上のような9つの要素が浮上してきます。

これこそ「居住空間の差元化」という居住行動の意味するところでしょう。

2025年4月10日木曜日

生活学・新原論Ⅵ-7:生活空間論:居住空間の差識化

生活空間論の7番めは「居住空間の差識化」、つまり居住者が住宅や家具などを、通常の暮らしに利用する行動です。

差識化とは【差識化行動とは何か?】で述べたように、生活世界の中央の「日欲」を構成する3つの生活願望、つまり「欲求」「実欲」「常欲」が“認識”する、さまざまな有用性の中から、個人的に必要な「ききめ」を判断し、それらを求める生活行動です。

生活体でいえば、下図➀のように、欲求ブロック、実欲ブロック、常欲ブロックの3つのブロックが交差する、中央のブロック(オレンジ部分)において、最も基本的な居住行動を展開することになります。


これらの3ブロックの中核となる行動を抜き出して見ると、下図➁のように、6つの居住行動のクロスする、中央の核(オレンジ部分)が差識ブロックということになります。


そこで、6つの居住行動の求める住居・家具などの要素を、これまで述べてきた6つの居住行動から抜き出して見ると、下図➂のように、6つの対応が浮かんできます。


縦軸上部の「欲望・実欲・常欲」行動では「
見栄え」が、下部の「欲動・実欲・常欲」では「住み心地」がそれぞれ求められています。

横軸右上の「欲求・世欲・常欲」行動では「新機能住宅」が、左下の「欲求・私欲・常欲」では「手作り自宅」がそれぞれ求められています。

前後軸右下の「欲求・実欲・真欲」行動では「充実書斎」が、左上の「欲求・実欲・虚欲」では「新型別荘」がそれぞれ求められています。

となると、3軸の交差する中央ブロックの「欲求・実欲・常欲」行動では、何が求められるのでしょうか。

このブロックは、意識の織りなすさまざまな生活願望が、頻繁に交差する行動次元ですから、居住行動もまた最も基本的、あるいは究極的なものになります。

つまり、「欲求・実欲・常欲」が求める差識化行動とは、居住者にとって、最も基本的な居住行動、すなわち「住み家」という要素を求めることです。

いいかえれば、見栄えや住み心地、新機能や手作り、充実や新型など、さまざまな居住願望が交差する中で、最も基礎的な居住環境を求める次元として、差識化行動が位置づけられるのです。

2025年1月25日土曜日

生活行動論から生活空間論へ!

生活学・新原論は、前回までの「Ⅴ:生活行動論」に続いて、今回からは「Ⅵ:生活空間論」へ進んでいきます。「生活学・新原論Ⅵ」ということです。

生活空間を考える時、まず配慮すべきは、私たちの生きている生活空間が「居住空間」と「地域空間」に分かれているという事象です。

居住空間は、衣食住など基本的な暮らしを営む内向空間であり、地域空間は、生産や購買、教育や交流などを実現する求める外向空間です。

今回からはまず新原論Ⅵ-1として、居住空間を考えていきます。

私たちの居住空間、つまり住まいの構造を、これまで述べてきた生活行動論で分析してみると、下図のような分類が浮かんできます。 


➀中央、日欲への差識化行動に対応して、居間、食堂、炊事場、洗濯場、洗面所、浴場、便所、そしてそれらを繋ぐ廊下や階段が浮かんできます。

➁左下、私欲への差延化行動に対応して、個室や寝室などが浮かんできます。

➂右上、世欲への差汎化行動に対応して、玄関や応接室などが浮かんできます。

➃右下、真欲への差真化行動に対応して、書斎や勉強部屋などが浮かんできます。

➄左上、虚欲への差戯化行動に対応して、遊戯室や娯楽室などが浮かんできます。

⑥上方、欲望への差異化行動に対応して、外装、エクステリアなどが浮かんできます。

⑦下方、欲動への差元化行動に対応して、住み心地、インテリアなどが浮かんできます。

7つの生活行動には、それぞれ特有の生活願望への対応が含まれています。

とすれば、7つの生活空間にも、それぞれの願望に応えることが求められるでしょう。

それゆえ、建築学や住居学などの視点とは、一味違った立場から、7つの分類を前提にしつつ、個々の生活空間に求められる条件とは何か、を考えていきます。