生活空間論の7番めは「居住空間の差識化」、つまり居住者が住宅や家具などを、通常の暮らしに利用する行動です。
差識化とは【差識化行動とは何か?】で述べたように、生活世界の中央の「日欲」を構成する3つの生活願望、つまり「欲求」「実欲」「常欲」が“認識”する、さまざまな有用性の中から、個人的に必要な「ききめ」を判断し、それらを求める生活行動です。
生活体でいえば、下図➀のように、欲求ブロック、実欲ブロック、常欲ブロックの3つのブロックが交差する、中央のブロック(オレンジ部分)において、最も基本的な居住行動を展開することになります。
横軸右上の「欲求・世欲・常欲」行動では「新機能住宅」が、左下の「欲求・私欲・常欲」では「手作り自宅」がそれぞれ求められています。
前後軸右下の「欲求・実欲・真欲」行動では「充実書斎」が、左上の「欲求・実欲・虚欲」では「新型別荘」がそれぞれ求められています。
となると、3軸の交差する中央ブロックの「欲求・実欲・常欲」行動では、何が求められるのでしょうか。
このブロックは、意識の織りなすさまざまな生活願望が、頻繁に交差する行動次元ですから、居住行動もまた最も基本的、あるいは究極的なものになります。
つまり、「欲求・実欲・常欲」が求める差識化行動とは、居住者にとって、最も基本的な居住行動、すなわち「住み家」という要素を求めることです。
いいかえれば、見栄えや住み心地、新機能や手作り、充実や新型など、さまざまな居住願望が交差する中で、最も基礎的な居住環境を求める次元として、差識化行動が位置づけられるのです。
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