2026年6月29日月曜日

Life Creators Marketing22:差戯化行動をどう進めるか?:模擬・戯化

差戯化行動の2つめは「模擬・戯化」行動です。

この行動は、虚構空間で独り遊びや疑似体験を楽しもうとする「欲求」に向けて、「私戯」「戯化」「模擬」という3つの願望次元で展開されるものです。


私戯」とは、虚構のルールへ私的に戯れたい願望、「戯化」とは、日常的な虚構に浸りたい願望、「模擬」とは、虚構空間を集団的、社会的に作りたい願望です。

これらの願望を実現するため、生活民は次のような行動を行います。供給側には何を求めたらいいのでしょうか。

●「私戯」行動

仮面遊びや着せ替え遊びなど、虚構向けのルールを従って、純私的に虚構空間を楽しもうとする行動です。

生活民の純個人的な願望ですので、楽しむためのルールは、自ら創案することが望ましいでしょう。だが、自己満足にも陥りますから、仲間グループ、ネットコミュニティーなどにも応援を求めることになります。

こうした期待に応えて、カード遊び、コンピューターゲーム、生成AIゲーム、一人スポーツなど、私的な遊びの創造が期待されます。

●「戯化」行動

娯楽やレジャーなどの虚構ルールを、家族や友人などと、日常的な虚構空間の中で楽しもうとする行動です。いいかえれば、さまざまな日常的ルールを虚構化して、遊戯空間を創り出し、他者とのゲームなどを楽しむ行動ともいえるでしょう。

それゆえ、供給側には日常用品の遊戯化AV機器のゲーム化、食品・食器などの遊戯化)、近隣施設の遊戯化(日常系テーマパーク、交通機関の遊園地化)などが期待されます。

●「模擬」行動

映画・演劇・音楽・美術・スポーツなどの虚構事象を、社会的な空間において楽しもうとする行動です。

この行動を広げるには、実演鑑賞(観劇、コンサート)、映像・イメージ鑑賞(映画、アート作品)、スポーツ観戦(スタジアム観戦、放映観戦)、疑似体験(テーマパーク、オンライン)などで、供給側の企画対応の細密化が求められます。

もっとも、これらの虚構事象は、いずれもビジネスの対象として過剰化する危険性があります。とりわけスポーツ(プロ野球、プロサッカーなど)では、体力・知力比較という虚構性が、過大な拝金主義の対象に陥りやすいため、生活民としては一定の距離を保つことが必要でしょう。


以上に挙げた「模擬・戯化」行動に対しては、供給側からもすでにさまざまな対応が進められています。具体的な事例については、拙著
人口減少逆張りビジネス』の「9章たわむれ〟需要への差戯化戦略で詳細に紹介しています。


こうしてみると、生活民は自らの求める「模擬・戯化」願望を充たすために、私戯➔戯化➔模擬の順番で、供給側に対応していくことが必要でしょう。

2026年6月18日木曜日

Life Creators Marketing21:差戯化行動をどう進めるか?:競争・ゲーム

生活民自身は供給主導型の消費市場をどのように利用していくべきか、【LCマーケティングのポイント】の⑦に沿って、今回から「差戯化」を検討します。

差戯化とは【差戯化行動は何か?】で述べたように、虚構界から生まれてくる弛緩、解放、遊興などを求める虚欲に応え、虚脱・混乱、浪費・蕩尽、戯化・模擬、ゲーム・競争などを実行する生活行動です。

生活願望の縦軸でいえば、遊争欲望、模擬欲求、混乱欲動の3つであり、これらを対象にして、「競争・ゲーム」「模擬・戯化」「混乱・めまい」といった行動が考えられます。

最初の「競争・ゲーム」行動は、競争や競技を楽しむもので、特定の記号に判断の成否を楽しむ「賭け」行動、模擬的な戦いを楽しむ「ゲーム」行動、戦い事態を楽しむ「競争」行動に分けられます。



そこで、生活民はこれらの欲望を実現するため、次のような行動を行おうとします。

●「賭け」行動

特定の「符牒(記号)」に向けて、自らの判断を投下し、その成否を楽しむ行動です。

遊戯界という虚構世界の中に、日常界の損得行為をシミュレートして、実体的な利益を求める行為ともいえるでしょう。

生活民らしからぬ行動ともいえますが、この分野でもインターネットや生成AIなどの進行に沿って、新しい賭け用品、新しいギャンブルなど、新奇な商品を求めていくことになるでしょう。

●「ゲーム」行動

日常界でのさまざまな成否を仮想空間の中に再現し、勝敗を楽しむ行動です。

仮想空間であるがゆえに、生成AIなどの電子モードがさらに大きく影響し、伝統ゲームの更新、新型ゲームの創造、日常・真剣用商品のゲーム変換などを求めていくでしょう。

●「競争」行動

他者との勝敗を競う行動で、体力、知力、経済力などの模擬的な対決が行われます。

日常・勤勉行動の競争としては、現実空間の中に新しいスポーツや新しいコンテストが求められ、虚構空間の中では、インターネットや生成AIなどにも、新たな対応が期待されます。

以上に挙げた「競争・ゲーム」行動に対しては、供給側からもすでにさまざまな対応が進められています。

具体的な事例については、拙著『人口減少逆張りビジネス』の「9章〝たわむれ〟需要への差戯化戦略」で詳細に紹介しています。


こうしてみると、生活民は自らの求める「競争・ゲーム」行動を実現するため、供給側に対しても、伝統的な商品やサービスの改善を求めつつ、急進するハイテク技術を応用した、新たな対応を求めていきます。

2026年6月11日木曜日

Life Creators Marketing20:差真化行動をどう進めるか?:修行・訓練

差真化行動の3つめは「修行・訓練」です。

修行・訓練行動では、自らの身体的・精神的能力を高めようとする目標(言語規範)をめざして、トレーニングや自己修練を行う「自強」行動をベースに、節度や摂生をより強く自らに課す「修行」行動、さらには社会的な対応能力の向上をめざす「訓練」行動が生まれてきます。

そこで、生活民はこれらを実現するため、自強行動(自己体力増強・訓練など)、修業行動(精神力向上・苦行など)、訓練行動(集団訓練など)を行おうとします。自ら行うことが中心ですが、供給側にもいろいろ求めることになります。


自強行動

自強行動は、自らの体力を維持・向上させるため、トレーニングや摂生などを強める行動です。若い世代はもとより、増加するシニア世代の間で、急速に増加しています。

供給側に対しては、家庭内トレーニング機器(ぶらさがり健康機、ルームランナーなど)の拡大や、シニア向けフィットネス装置を併設したマンションや公共施設などの新設が求められるでしょう。

修業行動

修行行動は、主に精神力の強化や柔軟性・対応性を求める行動です。この行動も、長寿化の進展や社会・経済の停滞に伴って、次第に広がってきました。

供給側に対しても、遊び目的の観光旅行を超えて、半生を振り返ったり、残された余生を考えるための、苦行的・修行的な旅、あるいはダイエットや体質改善をめざす断食修行教室などが期待されます。

訓練行動

訓練行動は、社会的な対応力を身体的、精神的に高めようとする行動です。子ども世代はもとより、シニア世代にも広がっています。

そこで、子ども向けには、幼児向けのスポーツクラブや、小中学生向けのスポーツ・トレーニング塾など、シニア向けにはストレッチや歩行訓練、体操、プール内歩行などを行うトレーニング教室などが期待されます。

また専門的な身体能力を身に付ける訓練として、伝統武術を教える古武術教室気功教室なども求められるでしょう。


以上に挙げた「修行・訓練行動」に対しては、供給側からもすでにさまざまな対応が進められています。

具体的な事例については、拙著『人口減少逆張りビジネス』の「8章〝きまじめ〟需要への差真化戦略」で詳細に紹介しています。


こうしてみると、生活民は自らの求める「修行・訓練行動」を実現するため、供給側に対しても、伝統的な支援サービスを改良しつつ、社会変化に見合った、新たな商品やサービスを求めていきます。