2021年3月8日月曜日

コンデンシング・ライフ・・・虚実濃密行動とは何か?

コンデンシング・ライフでは、真欲、日欲、虚欲という生活願望の、それぞれの外部拡大よりも内部充実を求める方向へと、生活民の軸足が向っていきます。

具体的にどのような生活行動なのでしょうか。真欲からは差真化行動が、日欲からは差別化行動が、虚欲からは差戯化行動が、それぞれ生まれてきます。 


差真化行動とは、真実界から生まれてくる、儀礼や儀式、学習や訓練、自制や自律などを求める真欲に応えて、儀式や儀礼、勉学やトレーニング、自省法や内観法などを実行するものです。

作法・儀式行動・・・望ましい集団生活を作りだそうという目標(言語規範)をめざして、わがままやエゴを抑制しようとする「自戒」行動をベースに、マナーや家庭慣習などを守りたいという「作法」行動、季節儀礼や通過儀礼などを守ろうとする「儀式」行動が生まれてきます。

学習・教育行動・・・将来の知的能力を築こうという目標(言語規範)をめざして、自ら学ぼうとする「自習」行動をベースに、家庭や職場などでも勉学の機会を増やそうとする「学習」行動、さらには学校教育や専門教育などを利用して、知力を向上しようとする「教育」行動が広がってきます。

修行・訓練行動・・・自らの身体的・精神的能力を高めようとする目標(言語規範)をめざして、トレーニングや修練を行おうとする「自強」行動をベースに、より強く訓練や鍛錬、節度や摂生を自らに課そうとする「修行」行動、さらには学校やトレーニング機関で体力を向上しようとする「訓練」行動が生まれてきます。

自制・自律行動・・・望ましい自己を実現しようという目標(言語規範)をめざして、自省や内省を深める「内観」行動を基礎に、行動や生活を制御しようとする「自律」行動、自らの将来を描こうとする「向上」行動などが生まれてきます。

以上の4つの行動において、コンデンシング・ライフでは①よりも②③の方が、②③よりも④の方が、次第に比重を高めてくるでしょう。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

差別化行動とは、日常界から生まれてくる日欲が引き起こす行動ですが、日欲には先に述べたように欲求・実欲・日欲の3つが複合化されていますので、機能・性能・品質などを求める行動を中核として、実体験を重視する行動が強まってきます。

もっとも、日欲には横軸構造の実欲縦軸構造の欲求が絡んできますので、差別化のコンデンシングの方向も、いっそう複雑化していきます。そこで、この行動については、次回以降のブログで解説することにします。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

差戯化行動とは、虚構界から生まれてくる弛緩、解放、遊興などを求める虚欲に応えて、虚脱・混乱、浪費・蕩尽、戯化・模擬、ゲーム・競争などを実行するものです。

虚脱・混乱行動・・・陶酔、酩酊、トランポリンなど虚構空間の中で私的な錯乱状態を求める「めまい」行動を基盤に、温泉や気晴らし旅行など体感次元の発散を求める「虚脱」行動や、遊園地やカーニバルなどの設備で集団的に虚脱空間を作りだす「混乱」行動が生まれてきます。

浪費・蕩尽行動・・・目標や目的を意図的に放棄して、気の向くままに行動することを意味します。私的な生活次元での無為や惰性などの「怠惰」行動を基盤にして、経済的な生活次元では無駄づかいや蕩尽などの「浪費」行動が、社会的な生活次元では冗費や乱費やなどの「蕩尽」行動が生まれてきます。

戯化・模擬行動・・・仮面遊びや着せ替え遊びなどの虚構ルールへ私的に戯れようとする「私戯」行動を基盤として、娯楽やレジャーなど日常的な虚構を実行しようとする「戯化」行動や、映画、演劇、音楽、美術など虚構空間を集団的に作りだそうとする「模擬」行動が生まれてきます。

ゲーム・競争行動・・・ギャンブルやくじなどの虚構ルールへ私的に挑戦しようという「賭け」行動を基盤として、囲碁や麻雀などの虚構ルールへ日常的に戯れる「ゲーム」行動や、競技や競演など虚構ルールへ集団的に戯れようとする「競争」行動が生まれてきます。

コンデンシング・ライフでは、以上の4つの差戯化行動のそれぞれの内部において、対外的な戯化行動よりも対内的な戯化行動の比重が高まってくる、と考えるべきでしょう。 

以上のように、「真実・虚構志向の見直し」においても、私的充足をめざす傾向が強まり始めています。昨今の生活動向を見れば、そうしたトレンドがあちこちで散見できます。

0 件のコメント:

コメントを投稿