今回の生活コスト分析では、前回の「複合世帯当×単身世帯」に続き、単身世帯の「男性×女性」を検討してみます。
●基本データ
➀日本の単身世帯は2,296万世帯(総世帯数の40%)で、男性が1,176万世帯(21%)、女性が1,121万世帯(19%)です(国立社会保障・人口問題研究所・日本の世帯数の将来推計:2025)。 ➁生活コストのデータは、総務省統計局の「家計調査年報・家計収支編:2024年」の「男女・年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯)」です。 ➂集計対象となったサンプル数は649人、平均年齢は58.7歳(男性53.5歳、女性63.4歳)、有業者比率は57%(男性67%、女性47%)、持家率は60.1%(男性52.4%、女性66.8%)です。 ➃1ヵ月当たりの消費支出額は、男性世帯が164,372円、女性世帯が174,112円であり、女性の方が10,000円ほど多くなっています。理美容商品・サービスや交際費などが多少多いから、と思われます。 |
●消費傾向比較
以上のようなデータを基に、男女別の消費傾向を当ブログの「7差化」で比較してみましょう(前回と同じく、教養娯楽データは「差真化」と「差戯化」に等分しています)。
❶7差化別の消費構成は、男性、女性ともほぼ同じ傾向を示しています。 ❷7差化で比較すると、男性が高いのは差戯化と差汎化、女性が高いのは差延化、差元化、差識化、差異化で、差真化はほぼ同じです。 ❸男性で差戯化が6%ほど高いのは、外食、酒、たばこなどが、差汎化が1%高いのは自動車関係費などが、それぞれ比重が重いからです。 ❹女性で差延化が4%ほど高いのは理美容用品・サービスなどが、差元化が2%ほど高いのは野菜・海藻類が、差識化で0.7%ほど高いのは光熱水道費や生活雑費などが、差異化で0.6%ほど高いのは洋服代や通信費などが、それぞれ重いからです。 |
以上のように見てくると、男性では差戯化や差汎化など、どちらかといえば外向きの消費傾向が強いのに対し、女性では差延化で理美容消費とともに、差識化や差元化など、生活の基本に関わる内向き消費が多いことが浮かんできます。