当ブログの提案する「生活世界構造」によって、生活コストの実態を分析しています。
総務省統計局の「家計調査」のデータ(2人以上の世帯・1世帯当たり1か月間の用途別支出金額)を素材に、今回は10年間の変化を考えてみます。
2014年と2024年を、前回述べた生活行動7項目【生活世界構造】によって仕分けし、デフレーターを考慮して、%で表してみると、下図のようになります。
(教養娯楽データは、前回指摘したように差真化と差戯化に等分しています。)
2014年と2024年を比べてみると、全体では次のような変化が浮上してきます。
➀7項目別では、差識化(約25%)、差元化(約23%)、差汎化(約12%)の比重が高く、この3つで約60%に達しています。 ➁2014年より2024年が高かったのは差元化(+3.42%)と差戯化(+1.26%)であり、ほとんど変わらなかったのは差真化(+0.02%)、低かったのは差識化(−0.25%)、差異化(−0.86%)、差延化(−1.32%)、差汎化(−2.27%)です。 |
生活行動別に眺めると、次のような変化が見られます。
❶差元化では、調理食品、肉類、穀類などの食品や保険医療費が増えています。 ❷差戯化では、菓子類や外食などが増えています。 ❸差真化では、教育、教養費がともに伸びています。 ❹差識化では、家事用消耗品や家庭用耐久財などへの支出が増えましたが、光熱・水道費が減っています。 ❺差異化では、洋服や通信費が減っています。 ❻差延化では、理美容品やサービスが増えましたが、小遣いや使途不明金が減っています。 ❼差汎化では、交際費が大幅に減っています。 |
全体的に見れば、差元化、差戯化などで自宅内・家庭内での生活コストが増えていますが、差異化、差延化、差汎化などでは、外部や外見などへの支出を減らす傾向が現れています。
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