人口減少時代の生活様式は、上昇志向、物的拡大、自己顕示といった人口増加時代の様式を超えて、足元志向、心的充実、自己充足などをめざすものとなるでしょう。
一言でいえば、濃密な生活、つまりコンデンシング・ライフ(Condensing
Life)こそ、人口減少時代の生活民に求められる、新たな生活様式ではないでしょうか。
このブログでは、【これが生活体だ!】【「生活民」の生活構造とは・・・】【「生活体」から「生活球」へ】などで述べているように、
生活民の生活構造は3つの軸から構成されている、と考えています。
①縦軸は感覚(体感・無意識・象徴)と言語(理性・観念・記号)を両極としています。 ②横軸は個人(自給・愛着・効用)と社会(交換・同調・価値)を両極としています。 ③前後軸では真実(儀礼・学習・訓練)と虚構(遊戯・怠慢・弛緩)を両極としています。 ④3つの軸が交わる中心として、「日常・平常」な生活が位置づけられています。 |
以上の構造を前提にすると、これまでの膨張型生活(Expanding Life)では、どちらかといえば、次のようなトレンドが主流でした。
❶個人(自給・愛着・効用)よりも、社会(交換・同調・価値)に追随する。 農産物でいえば、従事者の好みや馴染みよりも、売れるか否かを重視する。 ❷感覚(体感・無意識・象徴)よりも、言語(理性・観念・記号)を重視する。 衣類でいえば、着心地や保温よりも、デザインやブランドを重視する。 ❸真実(儀礼・学習・訓練)と虚構(遊戯・怠慢・弛緩)を共に拡大する。 勉強も徹底的にやったら、遊びもとことん楽しむ。 ❹3軸が交わる「日常・平常」な生活は、日々肥大化していく。 暮らしの規模は、日増しに大きくなっていく。 |
これに対し、これからの濃密型生活(Condensing Life)では、次のようなトレンドが強まってくるでしょう。
❶社会(交換・同調・価値)より個人(自給・愛着・効用)を重視する。 果実でいえば、売れるか否かよりも、自分の好みや馴染みを重視する。 ❷言語(理性・観念・記号)より感覚(体感・無意識・象徴)を重視する。 衣類でいえば、デザインやブランドよりも、着心地や保温を重視する。 ❸真実(儀礼・学習・訓練)と虚構(遊戯・怠慢・弛緩)の、両方の密度を高める。 勉強の中身を深めるととともに、遊びの中身も濃くしていく。 ❹3軸が交わる「日常・平常」な生活は、肥大化よりも濃縮化へ向かう。 暮らしの規模は、量的な拡大よりも、質的な充実をめざす。 |
4つのトレンドについて、それぞれの背景と変化の行方を考えていきましょう。
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