2021年1月5日火曜日

拡大型構造から濃密型構造へ!

1億2800万人の人口容量のもとで、10年前から人口減少社会に入った日本において、生活民の暮らしはどのように変わっていくのでしょうか。

振り返れば、1800年代初頭の化政時代から200年も続いてきた人口増加の時代が終わり、人口の減少する時代に入ったのです。

これまでは、人口容量の限界まで、全ての生活民の期待する期待値が拡大可能であったため、日本列島に住む人々は、経済・環境的な生活水準を上げ続けるとともに、総人口を増加させてきました。

しかし、人口容量の上限に総期待値が近づいた1960年代から、人口抑制装置が作動し始め、2010年頃から総人口もまた減少を続けています。経済・環境的な生活水準を上げ続けたとしても、もはや総人口を伸ばすことは不可能となっているのです。

こうした時代に入った以上、従来の常識はもはや通用しません。どこが違うのか、とりあえず生活・経済構造の要点を整理してみましょう。

人口増加時代の社会・生活構造は、次のようなものでした。

①人口容量に余裕があり、全生活民の総期待量が実現可能であったため、人口は一貫して増加を辿ってきました。

②人口容量は国内容量国外容量で維持されているため、増加する人口から生まれる生活需要を賄うには、生活財の国内生産を増加させるとともに、海外からの輸入を拡大することが必要でした。

③増加人口に対応する生活費用を賄うためには、国内の生産額と海外向け輸出額の、両方を増加させるとともに、公共的費用を賄う国家財政の財源を拡大することが必要でした。

④総生活費用と国家財源を増加人口で賄うためには、生産活動に関わる生活民の生産性を上げていくことが必要でした。

以上の構造は、人口減少時代になると、次のように変わると思われます。

①限界に達した人口容量のもとで人口減少が始まっており、2030年代になれば総期待値の実も可能となりますが、人口が増加に転じるにはなお5060が必要です。

②人口容量が維持されておれば、人口が減る分だけ、個々の生活民の個人容量はなお増え続けることが可能であり、生活規模は維持または拡大できます。

③但し、減少人口から生まれる生活需要の変化に対応して、生活財の国内生産を維持あるいは縮小させ、海外からの輸入も維持または削減することが必要となります。

④減少人口に対応する生活費用を賄うには、国内生産と輸出量を維持あるいは縮小させるとともに、公共的費用を賄う国家財政の財源を確保することが必要になります

⑤総生活費用と国家財源を減少人口で賄っていくには、生産に関わる生活民の生産性をさらに上げる、あるいは維持していくことが必要になります。

以上のように、人口減少時代の社会・生活構造は、従来とはまったく異なる様相を呈してきます。

新たな生活様式を考えるには、従来の分断的分析を超えて、新たな視点から見直すことが求められるでしょう。

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