総務省統計局の「社会生活基本調査」をベースに、生活時間の動向を考えています。
今回はこの調査のデータを素材に、過去5年間(2016~2021年)における生活行動の変化を振り返ってみましょう。
1日当たりの週間平均時間を7差化時間で読み解くと、次のような変化が読み取れます。
主な変化は次の通りです。
●この5年間では、2019年末からのコロナ禍のせいか、感染の回避や外出の抑制などの行動が読み取れる。 ●最も増えたのは差元化で、33分増えている。休養・くつろぎが20分、睡眠時間が14分増え、受診・療養が1分減っている。コロナ禍の影響で、外出や遊興などが抑えられ、体力維持に関心が集まったのではないか。 ●最も減ったのは差汎化で、24分減っている。移動(通勤・通学以外)と 交際・付き合いがともに7分、仕事が5分減っている。コロナ対策として在宅ワークが増え、外出行動や対人行動が縮小したものと思われる。 ●差識化では家事が4分、身の回りの用事が2分増えたのに対し、食事が1分、その他が3分減っている。屋内行動が増えた結果、家事や実の回りの行動が増えた分、それ以外の行動を抑えたのであろう。 ●差異化ではテレビ・ラジオ・新聞・雑誌を見る時間が7分減っている。屋内行動が増えたにも関わらず、マスメディアへの関心が薄れているのではないか。 ●差戯化はほとんど変わっていない。趣味・娯楽が1分増え、スポーツが1分減っている。個人的・屋内行動が増え、対人的・屋外的行動が減ったのではないか。 ●差真化では学業時間が4分減っている。学生や児童の間では感染防止対策として、疲労を避ける傾向が強まったためと思われる ●差延化では介護・看護、育児がともに1分減っている。外出を避ける行動が増えたため、屋内行動にわずかなゆとりが現れたのではないか。 ●差元化・差汎化・差識化の3行動は、多少の増減はありつつも、全体の8割を占め続けている。 |
以上のように「社会生活基本調査」を当原論7差化分析で読み解くと、コロナ禍の影響が如実に浮上してきます。
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