2018年11月20日火曜日

アトモノミクスの基盤を考える!

アトモノミクス(Άτομομικός)を構築する場合、最も基本的な視点として、次の3つをまず考えるべきだと思います。
 
① 生活民という主体
② 「私効」重視という対物態度
③ 差延化という行動

1番めは「生活民という主体」という視点です。


生活民とはどのような人間をさすのか、これまで展開してきた当ブログの趣旨からいえば、2つの要件が求められます。


 一つは【「生活民」とはどんな人?】(2016年10月13日)の中で述べた、最もベーシックな要件です。

「生活民」とは、生活の主体である人間像を、生活学の「生活人」社会経済学の「生活者」を継承しつつ、より統合化したコンセプトであり、主な特徴は次のようなものです。

① 従来の生活学の「生活人」からは、「美学や哲学などの次元にまで幅を広げた、より総合的な人間像」を継承しています。

② 社会経済学の「生活者」からは、「営利主義の対象である“消費者”を抑制する」ことや「自己生産を基本にする」ことを継承しています。

その一方で、「生活人」が否定した「伝統や慣習、あるいは流行を追い求める生活行動」や、「生活者」が排除した「気晴らしや見せびらかしなどを求める願望次元」なども積極的に肯定し、両方とも含めた人間像をめざします。

④ 生活の主体を、市場社会のユーザーの立場を超えて、市場の成立以前から存在した、自立的な人間におきます。

もう一つの要件は、【
「生活民マーケティング」は「LC-Marketing」だ!】(2017年7月30日)の中で提起した、以下の行動主体であることです。

①生活民とは「価値(Value=Social Utility)」よりも「私効(Private Utility)」を求める主体である。・・・【生活民は「価値」よりも「私効」を重視!:2016年11月22日】

②生活民とは「言葉(word)」や「記号(sign)」よりも「感覚(sense)」や「象徴(symbol」を重視する主体である。・・・【
差異化を超えて差元化へ:2016年4月19日】

③生活民とは「真実」よりも、虚構」から「日常」や「真実」を眺める主体である。・・・【
嘘を作り出す二重の構造!:2017年6月10日】

これらは、オイコノミクスやエコノミクスからみれば、枠外の要件かもしれません。


しかし、「アトモノミクス」では、2つの要件を満たす人格こそを「生活民」と定義したうえで、彼の行う生活諸行動についての様式や原理などを構築していきます。

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