2026年4月10日金曜日

Life Creators Marketing14:差元化行動をどう進めるか?:象徴化

生活民自身は供給主導型の消費市場をどのように利用していくべきか、「差延化」「差汎化」が終りましたので、今回から「差元化」を検討します。

生活民は【差元化とは何か?】で述べたように、上層的・意識的な記号(カラー、デザイン、ネーミング、ブランド、ストーリーなど)の受容行動よりも、下層的・無意識的な象徴(神話、無意識、体感など)の再生行動を重視します。こうした行動が「差元化」であり、概ね3つの次元(象徴、無意識、感覚)を対象にしています。

最初は象徴次元への「象徴化行動」を考えてみましょう。

ここで言う「象徴=シンボル」という言葉は、既成の言語体系が形成される以前の未言語段階、あるいは前言語段階の意味体系を意味しています。

私たちは、感覚や無意識でとらえたものを言葉で表す前に、より始原的なイメージによって表現しています。こうしたイメージが「象徴(シンボル)」とか「元型(アーキタイプ:C.G.ユングの提唱)」とよばれるものです。

生活民は、象徴や元型に触れ合ったり、それらを幾つか組み合わせた神話おとぎ話を振り返ることで、心の深層にある沃野に立ち戻り、個人を超えた集合的な無意識を再確認することができます。

どのような形で再確認しているかといえば、おおむね深層性、陶酔性、身体性、神話性、宗教性、儀式性の6つの形が浮かんできます。それぞれの行動を実現するため、生活民は消費市場や対応事業に何を求めるべきなのでしょうか。

深層行動では、深層心理性、無意識志向性、集団催眠性などを求めます。

事例としては、精神分析や精神療法(カウンセリングや各種セラピーなど)、集団催眠的なイベント(大集会やマスゲームなど)、宗教的に無意識へ誘導する行動(座禅、断食、修行など)の拡大や深化があげられます。

陶酔行動では、酩酊性、熱狂性、眩暈性などを求めます。

事例としては、酩酊誘導イベント(酒宴、祭、陶酔など)、目眩誘導行事(めまいを誘うダンスや踊りなど)、感覚陶酔サービス(音楽やアート鑑賞など)、陶酔型スポーツイベント(マラソンや水泳など)、感覚錯乱行動(スカイダイビング、ジェットコースター、テーマパークなど)の拡大や深化があげられます。

身体行動では、感覚性、生物性、欲動性などを求めます。

事例としては、睡眠に関連する道具(抱き枕や仮眠ルームなど)、五覚敏感化道具(味、嗅、視、聴、触覚)、身体弛緩サービス(温泉、サウナ、マッサージ、プール、アスレティックジムなど)の拡大や深化があげられます。

神話行動では、神話・民話性、幼児世界性、元型志向性などを求めます。

事例としては、ファンタジー映画(『千と千尋の神隠し』『もののけ姫』『ハリーポッター』『ロード・オブ・ザ・リング』など)や、神話的なキャラクター商品(「ビックリマンチョコ」、「ポケットモンスター」、ダイソーの「古代エジプトグッズ」など)の拡大や深化です。いずれも神話、お伽話、昔話を応用したものです。

宗教行動では、救済志向性、精神安定性、神秘体験性などを求めます。

具体的には、既存宗教や新型宗教、モノや動物を崇拝するフェティシズムやアニミズム、占い、まじないなどの呪術、和漢系の呪術(陰陽道、風水、易教、道教、民間薬など)の拡大や深化があげられます。

儀式行動では、冠婚葬祭性、通過儀礼性、象徴交換性などを求めます。

事例としては、伝統的な冠婚葬祭(結婚式、葬式、法事など)、通過儀礼(七五三、成人式、結婚式、銀・金婚式など)、象徴交換や贈物(返礼、中元、御歳暮、ギフトなど)の拡大や深化が相当します。

 

以上に挙げた「象徴化行動」に対しては、供給側からもすでにさまざまな対応が進められています。具体的な事例については、拙著『人口減少逆張りビジネス』で詳しく紹介しています。

 

こうしてみると、象徴化行動を消費市場や社会事業に広げていくには、伝統的な供給構造を活用しつつ、新たな象徴願望に対応する供給体制の構築を求めていくことが求められるでしょう。

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