2016年11月12日土曜日

自給と他給の接点で考える!

3つの軸で交差された「生活構造」のうえで、生活民はどのように行動しているのでしょうか。

これまで述べてきたように、生活民とは、市場社会のユーザー(消費者)の立場を超えて、市場社会の成立以前から存在した、自立的な人間像を基本にしています。

それゆえ、生活民の生活行動とは、原始社会の自給自足や自産自消(自給経済システム)をベースにしつつ、共同体社会での地産地消や域内贈収(贈与経済システム)へ、さらに市場社会での他産他消や市場需給(市場経済システム)にまで広がっています。

このことは、経済システムが進歩するにつれて、生活行動が変化してきた、ということではありません。

経済システムの変化に応じて、自給自足的な行動が様々に変化しつつ、柔軟に適合してきたことを意味しています。

いいかえれば、市場社会がいかに進歩したとても、生活民の自給自足や自産自消が簡単に消え去ることはありえません。

現に私たちは、野菜を栽培したり魚を釣ることこそ行なっていませんが、スーパーマーケットでそれらを購入(他給)してきて、煮たり焼いたり揚げたりして、自ら調理するという自給行動は依然として続けています。

それゆえ、現代社会における生活民の生活行動とは、「それぞれの生活を営んでいくうえで、自給行動を基礎にしつつ、外側に広がる共同体や消費市場をいかに利用するべきか」ということになります。

いいかえれば、「自己生産や自給行動と他者生産や受給行動との接点で行動する」ということになるでしょう。

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