生活空間論の6番めは「居住空間の差真化」、つまり居住者が住宅や家具などを、学びや信仰のために適応させていく行動です。
差真化とは【差真化行動とは何か?】で述べたように、真実界から生まれてくる、儀礼や儀式、学習や信仰、自制や自律などを求める真欲に応えて、儀式や儀礼、勉学やトレーニング、自省法や内観法などを実行する生活行動です。
生活体でいえば、下図のように、前方に位置する生活願望「真欲」に向けて、欲望・欲求・欲動次元や私欲・実欲・世欲次元で、さまざまな生活行動を展開することになります。
こうした行動を居住空間に当てはめると、学びや信仰などのための住居や家具などを造る行動やそれらを享受する行動が浮かんできます。
上図に示したように、差真化行動は9つの行動に分かれていますが、このうち上段の3つは差異化行動、差延化行動、差汎化行動で、また下段の3つも差元化行動、差延化行動、差汎化行動で、すでに機能と対応事例を挙げています。さらに中段の左右も差延化行動と差汎化行動で、同様の対応をしています。
となると、中央の「真欲・欲求・実欲」欄のみが、独自の差真化行動ということになります。
このような先行事例を前提にしつつ、9つの差真化行動が生活空間に何を求めているのか、を考えてみましょう。
➀真欲・欲望・私欲では、学び、勤勉、重厚など認める私的行動として、例えば清潔感充足居室、勉学促進風子供部屋、自作デザイン書斎、自作デザイン学具などが対象となる。 ➁真欲・欲望・実欲では、学びや勤勉なデザインなどを求める居住行動として、例えば堅実風デザイン、効率風インテリア、自作堅実風デザイン、自作効率風デザインなどが対象となる。 ➂真欲・欲望・世欲では、重厚感や真面目さなどを訴求する対外行動として、例えば伝統的和風デザイン、西欧風クラシックデザイン、耐久強化デザイン書斎・勉強用具などが対象となる。 |
●中段の「欲求」段では、中央の「充実書斎」を挟んで、「手作り別荘」と「新勉学書斎」が求められます。
➃真欲・欲求・私欲では、純個性的な学び空間や家具類を求める私的行動として、例えば独創的書斎・勉強部屋、自作書斎、自作学具などが対象となる。 ➄真欲・欲求・実欲では、新たな機能を備えた学び空間や家具類をもとめる居住行動として、例えば新機能書斎・勉強部屋、自作新機能書斎・勉強部屋などが対象となる。 ⑥真欲・欲求・世欲では、全く新たな学習機能を向上できる居住空間、例えば能力深耕書斎・勉強部屋、自作推奨書斎、自作推奨学具などが対象となる。 |
●下段の「欲動」段では、中央の「まじめさ」を挟んで、「まおもて、手探り神具」と「神々しさ、信仰深化神具」が求められます。
⑦真欲・欲動・私欲では、純私的な感覚的真理を求める私的行動、例えば小奇麗さ、整斉さ、自作神殿、自作神具などが対象となる。 ⑧真欲・欲動・実欲では、家族単位での感覚的真理を求める居住行動、例えば風格、趣き、自作推奨神殿、自作推奨神具などが対象となる。 ⑨真欲・欲動・世欲では、世間に向けての感覚的真理を誇示する対外行動、例えば神社風、寺社風、教会風、自作推奨神殿、自作推奨神具などが対象となる。 |
以上に挙げた、9つの差真化行動を、具体的な事例として整理すると、次表のようになります。
青地以外の分野は、上記のように差異化行動、差元化行動、差延化行動、差汎化行動において、具体例を挙げていますので、新たな事例は青色の部分だけになります。