2026年1月27日火曜日

Life Creators Marketing7:LCマーケティングの8大ポイント

生活民(Life Creators) の消費市場(Market)への対応方法について述べてきました。

供給者(Supplier)側からの市場(market)対応ではなく、需要者(Consumer)からの対応、さらにはより自律的な生活民(Life Creators)からの対応を考えてきました。 


生活民の生活行動を、基本行動、意識行動、虚実行動の3面から眺めてきましたが、それらを統合すると、やはり当ブログで何度も述べてきた「8大ポイント」に行き着きます。

そこで、需要者サイドからの【USUser-side)マーケティングから、自給者サイドからの【SHSelf-helper Marketing)マーケティング】へと進展してきたマーケティング手法をさらに整理・統合し、新たに生活民サイドのから「LCLife Creators)マーケティング)」として提案したいと思います。


以上のような生活行動によって、生活民(Life Creators)自身は供給側主導の生活市場に対し、一定の距離を図りつつ、自律・自給回復型のライフスタイルを構築することになります。

2026年1月20日火曜日

Life Creators Marketing6:生活民の虚実行動とは?

生活“民”マーケティング(Life Creators Marketing)の視点から、基本行動意識行動に続き、今回はMarket(市場)に対応する、生活民の虚実行動を取り上げます。

この行動も生活世界構造の上では、横軸・縦軸から前後軸へ広がっています。

前後軸とは、生活民の虚実行動を並立的に捉えたものです。

生活心理・前後軸から考える!】で述べていますが、人間は「言葉」によって生活空間を創っています。その言葉に潜んでいる【メタ・メッセージ】機能によって、言語空間は【真実界・日常界・虚構】の3つに分かれてきます。

真実界(儀礼界)・・・言葉の示すことを全く疑わないで、すべてを真実とみなす空間で、儀礼や儀式の場に代表される。

日常界・・・真実と虚構の二つの空間の狭間にあって、虚実の入り混じった空間で、私たちが毎日暮らしている日常の場。

虚構界(遊戯界)・・・言葉の示すことはすべて虚構とみなし、その嘘を楽しむ空間で、遊戯やスポーツの場に代表される。

3つの空間の中で生きる生活民は、消費市場からそれぞれの世界へ差し出される誘いに対し、どのように対応していくべきなのでしょうか。

生活行動の基本的な立場は、私効の充実化(差延化)、欲動の重視化(差元化)の視点に立って、3つの世界をより濃密にしていくことだと思います。いたずらに拡大していくよりも、それぞれの世界の密度をいっそう濃くしていくのです。

◆真実市場(儀礼・学習・訓練など)に対しては、目新しさや見栄えなどより、独自性や体感性を求めます。

◆虚構市場(遊戯・怠慢・弛緩など)に対しても、新奇さや誇示性などよりも、個性化や五感性を求めます。

真ん中の日常的な世界に対しては、真実・虚構両市場への密度を高めることで、日々刷新していくことになります。

以上のように、前後軸の虚軸行動では、3つの市場への対応が求められます。

横軸では、「共効」や「個効」を独自の「私効」に変換する能力や方法を高めていき、縦軸では、「欲望」だけに捉われることなく、「欲動」や「欲求」への願望に関心を払うことでした。

だが、前後軸では一方向ではなく、両方向へと関心を払いつつ、その中心部を充実化させ、生活全体を濃密にしていくのです。

こうした行動によって、生活民はそれぞれの暮らしを、いっそう自律化し、濃密にしていくことができるでしょう。

2026年1月13日火曜日

Life Creators Marketing5:生活民の意識行動とは?

生活“民”マーケティングLife Creators Marketing)の視点から、生活民の自給・自足行動を考えています。

今回も生活世界構造で考えてみると、前回の横軸から縦軸へと広がっていきます。

縦軸は、生活民の意識行動を段階的に捉えたものです。


まず私たち人類が環境世界をどのように掴んでいるのか、という区分を4段階で捉えます。

➀身分け(ミワケ)・・・「身」つまり「身体」という感覚器がつかんだ世界

➁識分け(シワケ)・・・「身分け」した世界を意識によって捉えた世界

➂言分け(コトワケ)・・・「識分け」した世界を言葉によって改めて捉え直した言語的世界

➃網分け(アミワケ)・・・「言分け」した世界に特定の意図による「」をかけて創られた、抽象的世界。捉まれたものは「学識」となる。

4つの仕分けによって、人間の捉えた環境世界は5つに分かれてきます。

ソト界(物質界:physics・・・私たち人間や動物などを取り巻く、五感が捉える前の無感覚的な環境世界。

モノ界(認知界:physis・・・人間が「身分け」で環境世界の中から把握した世界。把握したものは、「無意識」として佇み、されなかったものは「無感覚」として物界に沈む。

モノコト界(識知界:gegonós・・・人間が「識分け」でモノ界の中から認めた世界。認めたものは「意識」の対象となり、されなかったものは「無意識」のままモノ界に沈む。

コト界(言知界:cosmos・・・人間が「言分け」能力でモノ界の中から把握した世界。捉まれたものは「知識」となり、されなかったものは「意識」のままモノコト界を漂う。

❺アミ界(理知界:philosophies・・・「言分け」で把握された世界へ、特定の意図による“網”をかけて創り出された抽象的世界。捉まれたものは「学識」となる。

5つの世界から生まれてくる生活願望は、次の通りです。

➀欲外(apathy・・・無感覚な次元であり、生活願望も未発

➁欲動(drive・・・無意識次元で巻き起こる、動物的、衝動的な願望

➂欲求(want・・・生理的な充足・不足状態を意識が求める願望

➃欲望(desire・・・記号(言葉や知識など)の刺激を受けて誘導的に生まれる願望

➄知欲(interest・・・学識に誘導され、観念的充足を求める願望

5つの生活願望のうち、生活民の自給・自足行動に深く関わっているのは、欲動、欲求、欲望の3つです。

●欲動・・・環境世界に放り込まれた生活民が、最初に反応するのは「身分け」が捉えたものの、「識分け」が未だ掴んでいない「欲動」です。モノ界に漂う、無意識的、動物的、衝動的な願望望です。

●欲求・・・続いて生活民が求めるのは、「識分け」が捉えた「欲求」です。モノコト界から生まれてくる願望で、生理的な不足状態を意識がとらえた願望が中心となります。

●欲望・・・さらに生活民は「欲望」に囚われます。「言分け」が生み出す、さまざまな記号の刺激を受けて、誘導的に生み出される願望です。

3つの生活願望が求める、主な対象は次のとおりです。

❶欲動の対象・・・五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、六感など)

❷欲求の対象・・・機能(性能、効能、作用、特性など)

❸欲望の対象・・・記号(言葉、文字、形、音など)

以上のような生活願望の発生状況を考えると、生活民は縦軸の上で、欲動➔欲望➔欲求の順にさまざまな願望を生み出していることになります。

とすれば、生活民には次のような行動が求められます。

➀生活民自身として、「欲望」だけに捉われることなく、「欲動」や「欲求」への願望に関心を払うこと。

消費市場を提供する供給者に対しては、過剰な記号や機能の供給を超えて、「欲動」や「欲求」を充たせるような素材の提供を強く求めること。

以上のように、生活民マーケティングの縦軸では、「欲動」「欲求」「欲望」の順番で、生活行動が展開されることが期待されています。

従来の供給版マーケティングでは、カラー、デザイン、ネーミング、ストーリー、ブランドなど、「欲望」対応戦略が最重要課題のように喧伝されています。

だが、生活民マーケティングの視点に立てば、生活民11人の「欲動」や「欲求」に応えられるような、「差元化」や「差別化」対応の方が一層求められるでしょう。

2026年1月8日木曜日

Life Creators Marketing4:生活民の基本行動とは?

Life Creators(生活民) が「自給志向者」だとすれば、Market(市場)に対し、どのように対応していけばいいのでしょうか。

生活民の自給・自足行動を考える時、最も基本になるのは、生活世界構造の中の横軸です。

横軸とは、【横軸の構】や横軸が作る3つの世界】などで述べたように、社会界・間人界・個人界3つに分かれ、それぞれの内部から、世欲・実欲・私欲の3つの生活願望が生まれてきます(生活心理を横軸で考える!)

世欲・・・世間的な評価を手に入れたいと思う願望

実欲・・・日常的な生活の中で実効的な効果や成果を得たいと思う願望

私欲・・・他人に何といわれようと純私的に満足したいと思う願望

3つの生活願望に対応する「ネウチ(有用性)」が、共効(価値)・個効・私効です(生活民は「価値」よりも「私効」を重視!)。

共効(Social Utility=価値・・・社会界において、社会集団が共同主観として認めた「共同的有用性

個効(Individual Utility・・・間人界において、生活民が個人として使用する時、社会的効用を受け入れた「個人的有用性

私効(Private Utility・・・個人界において、生活民が私的使用を行う時、独自に創り出した「私的有用性

以上のような横軸構造を前提にすると、「生活民の生活行動とは、私効と個効と共効の接点で行なわれている行動」ということになります。
つまり、生活民はそれぞれの生活を営むため、市場から調達してきた「共効」を「個効」として受け入れたうえ、自らの「私効」へ変換することで、有用性の範囲を広げて自らの用途に用いている、ということです。
となると、消費市場の差し出す「共効(価値)」とは、あくまでも生活民がそれぞれの私効を構築していくための素材ということになります。
このような視点から、生活民マーケティングの方向が浮かんできます。

生活民が自らの「私効」を充実させるためには、市場の提供する「共効」を個人的な「個効」として受け入れるとともに、独自のネウチ(私効)に変換していくことが求められる、ということです。

そのためには、生活民には、次の2つの行動が求められます。

➀生活民自身として、「共効」や「個効」を独自の「私効」に変換する能力や方法を高めていくこと。

➁消費市場を提供する供給者に対しては、「私効」を増やせるような「個効」や「共効」を強く求めていくこと。

以上のように、生活民マーケティングでは、「私効」の充実化こそが、最も基本的な行動ということになります。

従来の供給版マーケティングでは、「新たな価値創造」とか「新たな付加価値」という対応が最重要課題のように喧伝されています。

だが、生活民マーケティングの視点に立てば、真の「価値(共効)」創造とは、生活民11人が新たな「私効」を充実できるような、柔軟な「個効」を提供することにあるのです。

2025年12月30日火曜日

Life Creators Marketing3:生活民はどこまで自給しているのか?

現代社会の生活民は、自らの生活を構築するため、さまざまな生活資源を「市場」から調達する、という生活構造に追い込まれています。

私たちはどれほど「市場」に頼っているのでしょうか。極めて現代的な質問ですから、生成AI に聞いてみましょう。

「日本人の個人は、衣、食、住、移動、熱源の各部門で、何%自給しているのでしょうか?」と尋ねると、

Gemini(Google)、ChatGPT(OpenAI)、Copilot(Microsoftからは、次のような回答がありました。

一般的な個人では、食が0.1~1%、衣と住が0%、総合は25など、自給を極めた個人では、食が約7090%、衣が約1030%、住が約5070%総合は80%前後と「どうしても突破できない最後の20%」を指摘したうえで、「まとめ」として「私たちの生活は“輸入”で成り立っている」と述べています。


食が15%、衣が0%、住が0~1%などで、総合で25と推定したうえで、「平均的な日本人は、生活の9598%を“他者・社会・海外”に依存している、と述べています。


食が約38%(カロリーベース食料自給率)、衣が03%程度(衣料品の輸入依存が9798%から推計)、住が50%前後(木材自給率約40%+建材の多くは国内生産)など、個人の自給率ではなく、輸出入の比率として推定しています。

その理由として「公的統計にも日本人個人の自給率を%で示したデータは存在しない」うえ、「個人が衣服や住宅を“自給”する概念が現代社会では成立しにくい」と推定の困難性を指摘しています。


●Geminiの推定は、極めて柔軟な姿勢で、一般的な個人で総合が25%、自給を極めた個人で総合は80%前後と、一般人と自給志向人を分けたうえで、大きな差異を指摘しています。

●ChatGPTの推定は、極めてベーシックな態度で、平均的な日本人の自給率を25%と推定し、それ以外は“他者・社会・海外”に依存している、としています。

●Copilotの推定は、やや建前的な姿勢で、個人レベルの自給状況は推定できないとしたうえで、国家レベルの自給状況を240としています。

以上のように、生成AIの回答はやや分散しているようです。

しかし、統合的に見れば、私たち生活民の生活自給状況は、ほとんど0%に近い状況ですが、自給志向者にとっては80%まで上げられる可能性もある、ということになりそうです。

そこまで上げるのは大変だと思いますが、“生活民”としては挑戦する意味はあるでしょう。

どうすれば可能になるのか、さまざまな視点から考えていきます。

2025年12月23日火曜日

Life Creators Marketing 2 :市場とは何だろうか?

 生活“民”マーケティングLife Creators Marketing)とは、生活民の立場から「マーケット(市場)」へ働きかける行動を意味します。この「マーケット」、つまり「市場」とは何なのでしょうか。

人類史を振り返ると、古代社会の狩猟採集時代や農耕初期時代には、生活民の暮らしは自給自足が基本であり、その余剰分が贈与や共同体内で分配されていました。つまり、生活民にとっての生活資材とは、自分自身で獲得する対象であった、といえるでしょう。

ところが、時代が下るにつれ、他者との「交換」という獲得方法が広がってきました。これこそが「市場」という社会装置の基本です。


「市場」という漢字は、「いちば」とも「しじょう」も読まれています。

いちば」とは「小売店が集まって常設の設備の中で、食料品や日用品を売る所」や「一定の商品を大量に卸売りする所」を、また「しじょう」とは「売り手と買い手とが特定の商品や証券などを取引する場所」を、それぞれ意味しています(デジタル大辞泉)。

社会装置としては、「いちば」が拡大することで、「しじょう」へ発展してきました。

狩猟採集社会(紀元前1万年前まで)では、余剰の食料や自作の道具などを物々交換する場所として始まり、古代社会(紀元前40002000年頃)になると、メソポタミア、エジプトなどでは定期的な交換場所として定まりました。

ヨーロッパの中世社会515世紀頃)には、都市の拡大につれて定期市が開かれるようになり、近代社会1819世紀)になると、産業革命の進行とともに、大量生産・大量流通を担う商品市場が誕生し、貨幣経済の拡大に伴って、現代の市場社会が成立しました。

このように進展してきた「市場(いちば+しじょう)」に対し、生活民はどのように対応していくべきなのでしょうか。生活民マーケティングが対象にするのは、基本的には「いちば」ですが、延長線上では「しじょう」へも広がっていきます。

もともと「自給自足」が基本であった生活資源の獲得法が、知人間の「贈与」や共同体による「分配」、さらには宗教や王権による「再分配」などを経て、市場による「社会的交換」に移るにつれ、個々の生活民としてどのように対応すべきが問われるようになってきたのです。

これにより、現代社会の生活民は、自らの生活を構築するため、自己の労働で獲得した貨幣を差し出し、さまざまな生活資源を「市場」から獲得する、という生活構造に至っています。

とすれば、本来の「自給自足」と「贈与」「分配」「再分配」「交換」の間に、どのように対応していけばいいのか、とりわけ「自給自足」と「交換」の関係を適切に創り上げるにはどうすればいいのか、が問われることなります。

これこそが「生活民マーケティング」の基本的立場といえるでしょう。

2025年12月4日木曜日

Life Creators Marketing・プロローグ

生活学・新原論の応用方向を整理してきました。基本的な方向はひとまず取りまとめましたので、さらに具体化するため、市場社会への対応、つまり「“生活民”は市場社会へいかに対応していくか」について、多面的に考えていきたいと思います。

生活“民”とは、どのような人間なのでしょうか。「生活民」とはどんな人?】で述べたように、生活学の「生活人」や社会経済学の「生活者」を継承しつつ、より統合化したコンセプトです。

さらにいえば、消費者とも生活者とも異なる、より純粋の人間像、「Life Creators」です。市場社会との関連で定義すれば、「ユーザーの立場を超えて、市場の成立以前から存在した、自立的な人間」像ともいえるでしょう。


とはいえ、現代社会は極めて高度な市場社会ですから、それを前提にしなければ、各々の生活は成り立ちません。企業という供給側の提供する、さまざまな生活素材を受容しつつ、それぞれの暮らしを構築していくという生活形態が一般的なのです。

そうだとすれば、市場=マーケットに対し、需要者としてどのように対応していくべきなのか、それなりの行動が求められます。

これこそ、生活民マーケティングです。供給者側からではなく、需要者側からの市場対応策ともいえるでしょう。

マーケティングといえば、通常は供給側からのマーケット対応が一般的です。さまざまな企業が需要集中市場へいかに対応していくか、という経営戦略と考えられています。

ところが、もう一方では、需要側からのマーケティングも考えられます。市場社会に生きている生活民は、どのようにマーケットと付き合えばいいのか、という視点です。複雑に膨張した生活市場を、一人の生活民としてどのように活用し、いかように変えていくべきかという生活手法です。

これこそ「生活“民”マーケティングLife Creators Marketing」です。一人の人間として、生活市場や消費市場という生活資源の溜池にどのように踏み込んでいくべきか。さらにいえば、生活民の一人として、巨大な市場社会へ適切に対応し、巧妙に利用し、いかなる方向へ変えていくべきか。・・・そんなことを目ざすのが、生活民マーケティングといえるでしょう。

このような視点から、生活民のさまざまな市場対応を考えていきます。