2025年2月17日月曜日

生活学・新原論Ⅵ-1:生活空間論:居住空間の差異化

生活空間論の最初は「居住空間の差異化」、つまりエクステリア、インテリアなど、居住空間の差異化について考えます。

差異化とは【生活学・新原論Ⅴ-1:差異化行動とは何か?】で述べたように、生活球の上部に位置する生活願望「欲望」、つまり理性、観念、物語、抽象性などを求める願望に向けて、言語やイメージなど、さまざまな「記号」を使用する生活行動です。

こうした行動を居住空間に当てはめると、家屋のデザイン屋内の家具意匠などが対象になってきます。

差異化行動は、上記の【新原論Ⅴ-1】で示したように、9つの行動に分かれていますので、それぞれの行動が生活空間に何を求めるのか、を考えてみましょう。 


●上段の「
虚欲」段では、中央の「面白味」を挟んで、「不まじめさ」と「軽々しさ」が求められます。

私欲・虚欲・欲望では「不まじめ」なデザイン、つまり所有者が機能や用途よりも自分だけで遊べるようなエクステリアやインテリアなどを求めます。

実欲・虚欲・欲望では「面白味」のあるデザイン、つまり所有者が遊びや楽しさを実感できるようなエクステリアやインテリアなどが求められます。

世欲・虚欲・欲望では「軽々しい」デザイン、つまり所有者が遊びや楽しさを他人に誇示できるエクステリアやインテリアなどを求めることになります。

●中段の「常欲」段では、中央の「見栄え」を挟んで、「個性的」と「誇示的」が求められます。

私欲・常欲・欲望では「個性的」なデザイン、つまり所有者が自ら満足できるエクステリアやインテリアなどを求めます。

実欲・常欲・欲望では「見栄え」の高いデザイン、つまり機能性や用途を越えて、所有者が自ら誇れるようなエクステリアやインテリアなどが求められます。

世欲・常欲・欲望では「誇示的」なデザイン、つまり所有者が世の中に誇れるようなエクステリアやインテリアなどを求めることになります。

●下段の「真欲」段では、中央の「確かさ」を挟んで、「まじめさ」と「重厚さ」が求められます。

私欲・真欲・欲望では「まじめ」なデザイン、つまり所有者自身がまじめに付き合えるようなエクステリアやインテリアなどが求められます。

実欲・真欲・欲望では「確か」なデザイン、つまり所有者が堅実さを実感できるようなエクステリアやインテリアなどが求められます。

世欲・真欲・欲望では「重厚」なデザイン、つまり所有者が他人に対し、重々しさや風格などを誇れるようなエクステリアやインテリアなどを求めることになります。

9つの差異化行動を、具体的な事例として考えてみると、次表のようになります。

生活民の差異化行動から居住空間を考えると、以上のような9つの要素が浮上してきます。

これこそ「居住空間の差異化」という構築行動の意味するところです。

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