2015年2月14日土曜日

消費者志向から生活者志向へ

最近のマーケティング関係者の間では「従来の消費者志向を脱して、生活者志向を強めるべきだ」という主張がしばしば交わされています。

もともと、マーケティング業界では、「消費者志向のマーケティングとは、健康で文化的な生活を築くために、消費者の権利を重視し、消費者のニーズをよりよく満たして、消費生活に貢献することを目的とする経営活動だ」とか、「消費者主権のマーケティングとは、企業の社会的責任や顧客満足を重視したマーケティングである」といった主張が提起されていました。

ところが、最近では「消費者ではなく生活者を対象にすべきだ」という主張が増えています。

「消費者を理解するには、消費者を生活者としてとらえ、その意識を把握することが重要」であるから、「消費行動を自分の暮らし方表現の一つとして強く意識している現代の消費者の意識を知るためには、『消費者の求める(商品)』ではなく、『生活者として実現したいことややってみたいこと』の把握がより重要になる」というものです(日本リサーチセンター『マーケティングがわかる事典』)。

広告会社系の研究所でも「生活者発想とは、ひとことで言えば[消費者<生活者]という考え方です。(中略)個々の商品の買い手ではなく、暮らしの作り手である人間を『まるごと』観察し、その根源にある価値観や欲求の変化を読み解いていく…、それが生活者発想という考え方」(生活総研ONLINE)と述べています。

ここでいう「消費者」とは、あるいは「生活者」とは、どのような意味、いかなる定義で使われているのでしょうか。

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