2021年2月9日火曜日

コンデンシング・ライフ・・・コト欲望よりモノ欲動へ移行!

人口減少時代に広がる濃密型生活(Condensing Lifeでは、【コンデンシング・ライフを求めて!】で述べたように、4つのトレンドが強まってきます。

前回までの「個人志向の見直し」に続き、今回からは「感覚志向の見直し」です。

言語(理性・観念・記号)よりも感覚(体感・無意識・象徴)を重視するトレンドが強まってくるということです。

何故そうなるのか、私たちの生活構造に潜んでいる3つの軸、つまり、このブログで永々と展開してきた生活構造をベースに、今度は縦軸から説明してみましょう。

縦軸とは、【縦軸の構造・・・「身分け」と「言分け」】以下で述べているように、私たち人間の感覚(体感・無意識・象徴)言語(理性・観念・記号)を両極とする生活空間であり、この軸によって、3つの空間が生まれてきます。

①3つの生活空間とは、【身分け・言分けが6つの世界を作る!】で指摘した、6つの世界のうち、とりわけどっぷり浸かっている「モノ界(感覚界)」「モノコト界(認知界)」「コト界(識知界)」の3つです。

モノ界(感覚界:physis・・・私たち人間が自らの「身分け」能力によって、周りの環境世界の中から把握した世界。

モノコト界(認知界:gegonós・・・私たち人間が自らの「音分け(おとわけ)」能力によって、モノ界の中から把握できた対象と把握できなかった対象の、2つが行き交う世界。

―――従来の投稿では、「言分け」によってモノコト界(cosmos)と言語外界(chaos)が生じるように表現してきましたが、「言分け」能力を細分すると、その前段階として、音声でモノを区切る「音分け」があり、それによってモノコト界(gegonós)と言語外界(chaos)が仕切られていますから、上記のように加筆しました。・・・この件については、別途詳説する予定です。

コト界(識知界:cosmos・・・私たち人間が自らの「言分け」能力によって、モノ界の中から把握した世界。

②3つの生活空間からは、【縦軸が生み出す3つの生活願望・・・欲動・欲求・欲望】で指摘したとおり、欲動・欲求・欲望の生活願望が生まれてきます。

欲動(drive・・・言分けできなかったモノ界の対象が、無意識となって、夢や衝動などの形で噴出する願望。通常は無意識的な願望として、意識下に沈潜している。

欲求(want・・・身分けによって把握した生理状態が、音分け上に浮かび上がってきた時、その適否に対応しようとして発生する願望。生物としての身体が求めるものを意識に組み入れたうえ、要・不要を判断し、改めて有用性を追い求めるもの。

欲望(desire・・・言分けによって、コト界に生まれてくる願望。生理的な要・不要を超えた次元で、非生理的な〈記号〉を求めるもので、まったく非生物的、人工的な願望

以上のような上下軸に沿って、コンデンシング・ライフでは、コト界・欲望方向よりもモノ界・欲動方向へ、生活民の軸足が向っていきます。

その理由として、次の3つが考えられます。

①人口容量の限界下で人口を減少させていく人々は、上方志向のコトよりも、自らの体感に沿ったモノコトやモノの方へ関心を向けていきます。

②溢れるような情報環境の中で、表面的にはコト志向に追随はするものの、内面的にはそれに反逆するように、モノや感覚の世界を渇望するようになります。

③これまでの成長拡大型社会において、供給側がリードしてきた、カラー、デザイン、ブランド、ストーリーなどの差異化戦略に飽き飽きした生活民の多くは、アーキタイプ(元型)、ミソロジー、無意識、感覚、体感化などを見直すようになります。

こうした要因で下方トレンドが強まってくると、生活民はどのような行動へ向かっていくのでしょうか。

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