2021年2月15日月曜日

コンデンシング・ライフ・・・下降型生活行動へ向かって!

欲望➔欲望➔欲動へと生活願望の重点が移行していくと、生活民はどのような行動へ向かっていくのでしょうか。

3つの願望に対する生活民の行動もまた、供給側からのマーケティング戦略として、当ブログで幾度も述べてきた差異化、差別化、差元化と連動していますが、生活民の立場からみれば、次のように説明できます。

◆差異化・・・【差異化とは何か?】で述べたように、生活願望の「欲望」に対応して、モノやサービスのうえに言語やイメージなど、さまざまな「記号」に載せることで、新規性や異質性を満足しようとする生活行動です。

基本的な行動としては、カラー化、デザイン化、ネーミング化、ブランド化、ストーリー化などを求めることになります。

◆差別化・・・【差別化とは何か?】で述べたように、生活願望の「欲求」に対応して、モノやサービスに付加された、新たな性能や品質など、さまざまな「機能」によって、物質的な優位性を満足しようとする生活行動です。

具体的な行動としては、新機能化、高性能化、高品質化などを求めることになります。

◆差元化・・・【差元化とは何か?】で述べたように、生活願望の「欲動」に対応して、記号や機能をあえて外すことで、身体性や直感性、原始性や動物性などの「身分け」力を回復させようとする生活行動です。

基本的な行動としては、シンボルや元型(アーキタイプ)で集合的無意識を再確認する象徴化、意識や本能を積極的に作り出す無意識化、五感や六感などを鋭敏にする感覚化が考えられます。

このように考えると、生活民の生活行動もまた、差異化➔差別化➔差元化へと向かうことになります。衣食住で考えてみましょう。

◆衣生活・・・欲望向け差異化(カラー、デザイン、ストーリーなどの有名ブランド衣料)から、欲求向け差別化(寒暖、重軽、着やすさなどの作業服系衣料)へ、さらに欲動向け差元化(肌ざわり、快感、快汗、思い出、習俗などルーツ系衣料)へ向かっていきます。

◆食生活・・・欲望向け差異化(三ツ星ブランド、有名シェフ、ブランド食品など)から、欲求向け差別化(調理簡単、便利・実用、腹持ち強化など)へ、さらに欲動向け差元化(食感、臭覚、陶酔、回帰性など)へ向かっていきます。

◆住生活・・・欲望向け差異化(超高層マンション、ブランド住宅など)から、欲求向け差別化(居住性能、利便性、改変性に強い低層マンションなどへ、さらに欲動向け差元化(体感性、快適性、無限性など)へ向かっていきます。

昨今の生活動向を振り返ると、以上のような下降型生活行動は、すでにさまざまな分野で進んでいます

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