ポスト消費社会の可能性として、これまで生成社会、統合社会、複合社会の3つを提案してきました。
3つの社会のイメージ(生成社会、統合社会、複合社会)を、生活空間の上にもう一度図示しておきます。
これら3つの社会イメージを重ねてみると、次のような位置づけになります。
これを見る限りでは、生成社会、統合社会、複合社会の、3つの社会の重なった濃厚な部分が、ポスト消費社会の進むべき方向ということになります。
しかし、この部分だけがポスト消費社会というわけではありません。
この部分が意味を持ってくるためには、3つの社会を構成する3つの要素、つまり生成社会の生産・消費・生成、統合社会の記号・機能・象徴、そして複合社会の再配分・市場・互酬の、それぞれのバランス化が必要条件となるからです。
アトモノミクスの立場でいえば、一人ひとりの生活民が、本来の個体性を回復したうえで、無意識次元の象徴性もまた回復させ、さらに新たな互酬性を構築することで、生産・消費・生成の3つ、記号・機能・象徴の3つ、再配分・市場・互酬の3制度をより滑らかに融合していくことが可能になる、ということです。
とすれば、ポスト消費社会は「三立社会(triangular society)」と名づけるのがふさわしいでしょう。
生成社会、統合社会、複合社会の3つの社会が鼎立するとともに、生産・消費・生成の、記号・機能・象徴の、再配分・市場・互酬の、それぞれのバランス化をめざす社会という意味です。
今後の日本がこうした方向へ進むことができれば、閉塞感の強まる市場社会を再構築できるばかりか、望ましい統合社会や複合社会に向かって、新たな一歩を踏み出すことができるはずです。
現代の日本人に求められているのは、近代産業社会、近代市場社会の最終段階に向かって、基本的な9つの要素のバランスを回復し、成熟した三立社会へ向かって、社会全体の舵取りを徐々に調整していくことだと思います。
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