最近、旧来型のマーケティングの世界では、「モノからコトへ」の次の消費動向として「トキ(時)」とか「イミ(意味)」、あるいは「エモ(エモーション)」などの言葉が提案されてきました。
これらは表層的な消費動向や経営学的なマーケティングの分析対象として予想されているもので、その限りにおいてはまったく構わないと思います。
しかし、より根源的、より理論的に生活行動の仕組みを思考しようとすると、ほとんど首尾一貫性のない、単なる思いつきのようにも思えてきます。
もともと私たちの意識構造は、【身分け・言分けが6つの世界を作る!:2015年3月3日】で述べたように、「感覚界=モノ界」をベースとして「言語界=コト界」と「現実界=モノコト界」の、3つの次元で構成されています。
「コト界」とは、「モノ界」の中から、言葉によって捉えられた限りでの世界。
「モノコト界」とは、両世界の間にあって、言葉が捉えられなかった対象が浮遊したり、沈潜している世界。
このように考えると、「モノ」「コト」「モノコト」は、次のように定義できます。
「モノ」とは、単なる物質や材質などを超えて、人間という種がその感覚で捉えた認知的世界を意味しており、漢字で表わせば「物」であり「者」となります。
「コト」もまた、単なるカラー、デザイン、ネーミング、ブランド、ストーリーなどを超えて、人間特有のシンボル化能力が描き出した識知的世界を意味しており、漢字で表わせば「言」であり「事」となります。
「モノコト」とは、「モノ」と「コト」の間にあって、言葉が捉えきれないモノ、捉えていないモノなどを意味し、漢字の「物事」に相当しますが、やや異なる状態を示しています。
「コト」もまた、単なるカラー、デザイン、ネーミング、ブランド、ストーリーなどを超えて、人間特有のシンボル化能力が描き出した識知的世界を意味しており、漢字で表わせば「言」であり「事」となります。
「モノコト」とは、「モノ」と「コト」の間にあって、言葉が捉えきれないモノ、捉えていないモノなどを意味し、漢字の「物事」に相当しますが、やや異なる状態を示しています。
この「モノコト」は、言語的な「コト」界と本能的な「モノ」界の間を浮遊して、コトとモノを繋ぐ本源的な役割を担っていますから、その意味では「モト」とよんでもいいでしょう。
そこで、「モト」の実態を詳しく眺めて見ると、【差異化を超えて差元化へ:2016年4月19日】で述べたように、①象徴・神話、②無意識・未言語、③感覚・体感、の3次元に分けることができます。
①象徴・神話次元・・・元型
②無意識・未言語次元・・・下意識
③感覚・体感次元・・・本能
②無意識・未言語次元・・・下意識
③感覚・体感次元・・・本能
とすれば、「モト」は「元(モト)」「下(モト)」「本(モト)」の3次元で構成されていることになります。
これこそ、「モノからコトへ」のさらに向こう側に「コトからモトへ」を展望しなければならない、重要な理由といえるでしょう。
3次元の内容は、次回以降で考えていきます。
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