生活学・新原論の応用方向を整理してきました。基本的な方向はひとまず取りまとめましたので、さらに具体化するため、市場社会への対応、つまり「“生活民”は市場社会へいかに対応していくか」について、多面的に考えていきたいと思います。
生活“民”とは、どのような人間なのでしょうか。【「生活民」とはどんな人?】で述べたように、生活学の「生活人」や社会経済学の「生活者」を継承しつつ、より統合化したコンセプトです。
さらにいえば、消費者とも生活者とも異なる、より純粋の人間像、「Life Creators」です。市場社会との関連で定義すれば、「ユーザーの立場を超えて、市場の成立以前から存在した、自立的な人間」像ともいえるでしょう。
そうだとすれば、市場=マーケットに対し、需要者としてどのように対応していくべきなのか、それなりの行動が求められます。
これこそ、生活民マーケティングです。供給者側からではなく、需要者側からの市場対応策ともいえるでしょう。
マーケティングといえば、通常は供給側からのマーケット対応が一般的です。さまざまな企業が需要集中市場へいかに対応していくか、という経営戦略と考えられています。
とはいえ、もう一方では、需要側からのマーケティングも考えられます。市場社会に生きている生活民は、どのようにマーケットと付き合えばいいのか、という視点です。複雑に膨張した生活市場を、一人の生活民としてどのように活用し、いかように変えていくべきかという生活手法です。
これこそ「生活“民”マーケティング:Life Creators Marketing」です。一人の人間として、生活市場や消費市場という生活資源の溜池にどのように踏み込んでいくべきか。さらにいえば、生活民の一人として、巨大な市場社会へ適切に対応し、巧妙に利用し、いかなる方向へ変えていくべきか。・・・そんなことを目ざすのが、生活民マーケティングといえるでしょう。
このような視点から、生活民のさまざまな市場対応を考えていきます。

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