2020年7月23日木曜日

Sustainable・・・何のために“持続”するのか?

Sustainableは「持続可能な」を意味していますが、何のために“持続”するのでしょうか?

まことに稚拙な推測かもしれませんが、それは多分、人類という種が生き延びていくためだ、と思います。

私たち、現代人が安定的に生き延びていける条件を“持続”していく、ということです。

とすれば、一番確かな指標となるのは、やはり人口の動きだと思います。

人類が安定的に生きているか否か、それが最も明確に表れるのは、人口の増減だと思うからです。

そこで、人口の動きを長期的に眺めて見ましょう。

国連の予測(2019年)によれば、世界の人口は現在の78億人から、次のように推移していくと推計されています。





高位値・・・2030年以降も一貫して増え続け、2100年に156億人に達する。 

中位値・・・2060年代から徐々に伸び率を落とし、2100年に109億人となる。 

低位値・・・2050年前後の89億人をピークに徐々に減り始め、2100年に73億人となる。 

高位値が低位値の2倍以上になるという、まことに大雑把な予測ですが、これらを「Sustainability」の視点から見直してみると、その意味は次のように変わってくるでしょう。



❶高位値の場合
人口が現在の倍以上に増加する以上、一人当たりの環境負荷を半分以下に落としていかなくてはならない。

「Sustainability」とは、個々人の環境負荷の方向を根本的に転換し、全く新たな環境を作り出すこと、という意味になろう。

❷中位値の場合
人口が現在の1.4倍にまで増えていくから、一人当たりの環境負荷を70%ほど落としていかなくてはならない。

「Sustainability」とは、現在の環境水準を維持するため、一人当たりの負荷量をなんとか抑制し、全体の負担の軽減をめざす、ということになる。

❸低位値の場合
現在の94%まで人類が減っていく以上、一人当たりの環境負荷には6%ほどゆとりが生まれてくる。

「Sustainability」とは、一人当たりの環境負荷を大幅に上げないように注意しつつ、生まれてくるゆとりを適正に使う生活作法をめざすべき、という意味になる。 

以上のように、今後の人口動態と地球環境の関係によって、「Sustainability」の意味するところも、大幅に変わってくると思われます。

「Sustainability」という言葉を、明確な社会目標とするにはかなり無理があるのではないのではないでしょうか。

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