マーケティングを「脱構築(déconstruction)」していくには、マーケティングそのものの内部を再構築する「内部転換」と、マーケティング活動の外縁を再構築する「外部転換」の、2つの方向がある、と思います。
内部転換というのは、マーケティングの表面的な機能である「市場対応」を乗り超え、より本質的な目標である「需要者=生活民対応」をめざして、従来のさまざまな経営行動を再構築していくことです。
この点については、当ブログですでに幾つかの提案をしていますので、下表のように全体像を整理してみました。
第1は、従来の記号(サイン)誘導から象徴(シンボル)支援への移行。
肥大化するコト=記号の支配を薄め、需要者自身のモト=象徴力を回復させるためには、供給者は次のような活動に軸足を移さなければなりません。
例えば、言語以前の体感的、直感的な次元への回帰を支援する「体感・感覚力支援」、無意識への回帰をめざして、没我へと導く「没我力支援」、霊感や六感を増加させる「直感力支援」、無意識次元で自らの原点を確認させる「自己対面力支援」などです。
さらには、象徴力の強化をめざして、元型との出会い機会を増やす「象徴・元型支援」、宇宙や大海など絶対物を体験する「不変物信仰支援」、私や個を超えた次元を体験する「集合的無意識支援」など、多様多彩な需要者支援策を展開していくことです。
こうした活動は、企業のマーケティング活動を超えて、宗教活動や医療活動と同様、需要者の自律性や象徴性を支援する行動、いわば「シンボル・サポーティング:Symbol Supporting」とでもいうべきものです。
第2は、共効・個効提供から私効支援への移行。
供給者側からの一方的な「共効・個効」提供を極力抑えて、今後は需要者自身が求める「私効」重視へと転換します。あるいは「共効・個効」と「私効」のバランス回復をめざす、という方向です。
具体的にいえば、「価値創造」や「効用創生」などと称して、供給者側が押し付ける流行やライフスタイルを一旦棚上げにし、需要者のより自律した生活形成、つまり「私効独創」に役立つような商品やサービスを提供していきます。
これらは、市場を前提にした「バリュー・マーケティング:Value Marketing」を縮小し、需要者私効を支援する「エフィカシィ・サポーティング:Efficacy Supporting」とでもいうべき活動を拡大していくことを意味しています。
第3、第4については、次回へ続きます。
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