2019年6月19日水曜日

統合社会へ転換する!・・・その1

消費社会からポスト消費社会へ・・・クリアしなければならない、3つの条件の第2は「統合社会への転換」です。

すでに【
消費社会のポジションを考える!:2019年5月19日】の図3で示したように、私たちの生きている社会をあえて分ければ、欲望、欲求、欲動に対応して、記号社会、機能社会、象徴社会の、3つに分割できます。

この中に現代社会の構造を当てはめてみると、当初は機能社会を中心に発展してきましたが、近年になると、記号社会の比重が次第に高まっていることが指摘できます。

近代産業社会においても、商品やサービスの最も基本的なネウチは、新たな機能、性能、品質など、物質的、実質的なものでしたから、産業革命後は、図3の中段、機能社会が急速に拡大しました。

その後も、産業社会は新たな機能、性能、品質を次々に生み出すことで発展してきましたから、さまざまなエネルギー源から情報技術まで、機能社会は今もなお現代社会の基本構造となっています。

しかし、20世紀後半、主要先進国が後期産業社会に入るにつれて、上段の記号社会が急速に比重を増してきました

上記の背景には次のような理由があります。

第1は、供給側の生産体制が整って供給過剰が進むようなった結果、機能や品質だけでは需要側への訴求力が落ちてきたため、カラー、デザイン、ブランド、ストーリーのような、記号的なネウチを加える対応が加速したからです。

第2は、いわゆる情報化社会が進むにつれて、情報や記号などへの需給が広がってきたことです。

この動向は世界の人口動向とも密接に関わっていますから、筆者の【
JINGEN〈人減〉ブログ】もぜひご参照下さい。

第3は、商品やサービスの直接的な売買や取引に加えて、利子や利潤など資本の取引から得られるネウチを重視する傾向が強まったことでしょう。

このため、昨今ではいずれの先進国でも、優れた機能商品だけでなく、優れた記号を交換するようになっています。

つまり、主な先進国の社会は、機能社会の上方に、もう一つ重なった記号社会へと重心を移しています。

物の有用性よりも、物にまつわる記号の消費が中心となった社会」とは、まさしくこうした社会です。

これを乗り越えて、もう一まろやかな社会へ向かっていくには、どうすればいいのでしょうか。

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