生活民自身は、供給主導型の消費市場をどのように利用していくべきか、「差延化」の5つの行動を検討しています。
3番めは「編集」行動です。編集とは、さまざまな商品が溢れている消費市場の中から、幾つかの既成品を購入し、自らの手は加えないものの、自由自在に「編集」を加え、自分なりの生活財を創り上げる行為です。
具体的な事例は【編集・・・問われるのはコトとモノの調整力!】で触れていますが、生活民という立場からから見れば、次のようになります。
●ホテルのバイキングで朝食を編集する
朝食会場にズラリと並べられた惣菜の中から、好みの料理を選び出し、その日に見合った、独自のモーニングプレートを構成します。 供給者がリードする消費市場で、生活民側が主体となる、典型的な生活行動といえるでしょう。 |
●惣菜バイキングで自前弁当を編集する
| 惣菜店の店頭に並べられた、50~60種の惣菜の中から、好みのものをさまざまに取り上げ、別売りのごはんと合わせて、体調や好みに見合った弁当を作り出します。 |
●マイブレンド酒を編集する
| バーのカウンターにズラリと並べられたウィスキーのモルト(原酒)の中から、好みのものを選びだし、量的に編集しながら、自分だけの「マイウィスキー」を作り出します。 |
●自由編集アクセサリーを編集する
| アクセサリー市場から購入してきたフリースタイルの素材へ、自らのアイデアでさまざまな編集を加え、1つの素材をブローチにしたり、ペンダントにしたり、いろいろなデザインを楽しみます。 生活民はその時の気分に沿って、いろいろな工夫を加え、自らの満足度を高めていきます。 |
●高級コンポステレオを編集する
| ちょっとマニアックな生活民は、A社・B社・C社の発売した、さまざまなステレオ部品の中から好みの素材を買ってきて、独自の組み合わせで再生機を編集し、自分好みの音感を作り出します。 |
これらの事例を見ると、「編集」行動とは、モノには直接手を加えないものの、コト次元の組み合わせや変換によって、モノ次元の「共効」や「個効」を「私効」に変えてしまう生活行動ということになります。
「編集」行動は、供給主導型の消費社会の中で、生活民が主体性を何とか維持している、最も基本的な生活行動ともいえるでしょう。

0 件のコメント:
コメントを投稿