言語6階層説の2番めは「象徴言語」です。
象徴言語は「深層言語」と「自然言語」の間に生まれる言語です。
人間が「言分け」次元で事象を捉えるイメージが「記号(sign)」であり、「識分け」次元で事象をとらえるイメージが「象徴(symbol)」です【サインとシンボル・・・どこが違うのか?】。つまり、象徴言語とは、動物的、衝動的に捉えた事象を音声や図像などで表した言葉、といえるでしょう。
それゆえ、「象徴言語」を前回の「深層言語」と区分するのは、「識分け」、つまり「意識するか否か」です。「身分け」が捉えた事象に対し、意識が捉えない事象を言語化するのが「深層言語」であり、意識が捉えた事象を言語化するのが「象徴言語」ということです。
また「象徴言語」と次回の「自然言語」と区別するのは、「言分け」、つまり「言葉になるか否か」です。「識分け」が捉え、「言分け」が捉える前の事象をとりあえず言語化するのが「象徴言語」であり、「言分け」が捉えた事象を明確に言語化するのが「自然言語」です。
とすれば、象徴言語とは「身分け」が把握し、「識分け」が捉えた事象を、擬声語や擬態文字、イメージや偶像などで表した言葉ということになるでしょう。
意識が把握したとしても、自然言語が形成される前の未言語は、いわば始原的な言葉となって、モノコト界を浮遊しているのです。
具体例を音声言語、文字言語、表象記号であげてみましょう。
古くは古墳壁画や銅鐸絵画などが相当しますが、現代でも絵画記号(宗教のシンボルマーク:太陽、星、光、大樹、大河など)、アイコン(パソコン用アイコン)などで使われています。
以上のように、象徴言語とは、感覚が捉え、意識がつかんだ事象を、音声やイメージ記号に置き換えて、自然言語へと橋渡しする言葉、といえるでしょう。
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