2024年2月7日水曜日

生活学・新原論・・・基本を問い直す!

言語6階層論がひとまず決着しましたので、今回からはこのブログのタイトルでもある「生活学」の見直しについて、拙論を展開していきます。

周知のとおり、「生活学」は、考現学の提唱者、今和次郎先生 1951年に提唱された、新たな学問分野であり、約20年後の1972年に日本生活学会が発足しています。

設立趣意書では【生活のなかで人間を発見し、人間を通して、生活を見つめ、そのことによって、人間にとっての「生きる」ことの意味を探求すること―-それが「生活学」の立場】と謳われています。

家政学や生活科学などの狭隘性を超えて、よりトータルに生活事象を究明する立場を新たに提唱したもの、ともいえるでしょう。

筆者もまた半世紀前に生活学へ関心を抱き、1974年に日本生活学会に入会197981年に理事8190年には常任理事・事務局長を担当してきました。

しかし、市場社会における生活民の状況という、個人的な関心を究明しているうち、衣食住などの現象面の分析に比重をおく、学会内部の研究傾向にやや違和感を抱くようになりました。研究発表や研究会におけるテーマにも考現学的次元が多く、次第に関心が薄れてきましたので、1990年に退会しました。   

その後は、市場社会への生活民サイドからのアプローチを「Self-helper Marketing」、略称「SH Marketing」と名付け、生活意識や生活行動などを究明してきました。

その内容はこのブログにおいて、さまざまな形で述べてきましたが、今回はそれらを改めて整理し、生活学の新たな構成を「新・原論」として取りまとめてみたいと思います。


基本的な構成は、概ね次のようなものです。

①生活主体・・・生活民の定義と位置

②生活心理・・・意識としての生活世界構造

③生活行動・・・意識が生み出す多様な行動

④生活時間・・・人生や日常生活の時間的構造、

⑤生活空間・・・衣食住に代表される空間的構造

⑥生活資源・・・生活費用や生活素材などの家計的構造

⑦その他

上記は現時点の想定であり、今後の進行過程でかなり変化していくかもしれません。

いずれにしろ、人口の減る時代に「生活学」とはどのような方向へ向かうべきなのか、個別的かつ統合的に改めて整理していきたいと思います。

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