2021年11月9日火曜日

生活世界構造で生活願望を読む!

私たちの生きている生活世界前回のように整理すると、それぞれの世界から湧き上がってくる、さまざまな生活願望の実態が如実に見えてきます。

どのような願望が、どのような形で現れてくるのでしょうか。


●欲外:insentien

ソト界(物質界:Physicsでは、精神行動が「無感覚:覚えず」ですから、生活願望もまた「欲外:insentient」となります。

言語行動も行われていない世界ですから、ここでの願望は意識もされず、表現も行われません

●欲動:drive

モノ界(認知界:Physisでは、精神行動が「無意識:覚える」ですから、その中から生まれる生活願望は「欲動:drive」となります。

認知はされているものの、識知以前の無意識的な願望であり、生死の区別や善悪の分割など日常的な評価基準をはるかに超えた、動物的、衝動的な願望です。

この世界には、深層・象徴言語が微かに届いていますから、「欲動」という願望も、ほとんど意識されないにもかかわらず、夢や幻想として現れる、さまざまなイメージ、つまり「象徴」として表現されます。

●欲求:Want

モノコト界(識知界:Gegonósでは、精神行動が「意識:識る」ですから、そこから生まれる生活願望は「欲求:Want」となります。

want〉という言葉がいみじくも示しているように、咽喉が乾いたから飲み物が欲しい、空腹を覚えたから食べ物が欲しい、寒くなったから衣類が欲しいなど、一人ひとりの身体の中で何かが「欠如」してくるため、それを「必要」とする心理として現れます。

そこで、欲求の対象になるのは基本的には物質であり、願望の中身もまた生理的、物質的なものとなります。

この世界では、深層・象徴言語と日常・交信言語がともに使われていますから、「欲求」という願望はさまざまなイメージや、具体的な言語として表現されます。

●欲望:Desire

コト界(理知界:Cosmosでは、精神行動が「知識:想う」、あるいは「はなす:話す」ですから、生活願望は「欲望:Desire」となります。

テレビで紹介された料理が食べたい、流行の服が着たい、友人なみのマンションに住みたいなど、物質そのものというよりも、その上にのった文化関係や社会関係、あるいはそれらについての観念や表象を求めるものです。

人間が言葉を持った故に生まれてきた願望であり、生理的、生物学的な必要性がなくとも、「言葉(word」や「観念(idea)」といった「記号(sign)」の刺激を受けて、私たち一人ひとりの内部に発生し、物質への願望を越えて、言語的、文化的な願望となります。

この世界では日常・交信言語と思考・観念言語が使われていますから、「欲望」という願望は具体的な単語観念的な用語で表現されます。



以上のように、生活世界構造で読み解くと、私たちの生活願望がどのようにして生まれ、いかなる形で表現されるのか、ひとまずは整理できます。

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