2020年8月25日火曜日

Sustainable・・・人口抑制装置は“維持”を捨てる!

さまざまな生物の個体数は、キャリング・キャパシティー:Carrying Capacity:環境容量)の上限に近づくと、下降、増減、回復などさまざまな推移を辿ることが多く、安定的な定常状態(Sustainable)を辿るのはごく稀だ、と述べてきました。 

なぜかといえば、さまざまな生物は、生存環境が悪くなるにつれて、それぞれ特有の「個体数抑制装置」を作動させ、個体数を抑え込んでいるからです。

個体数抑制装置の実例については、筆者の別のブログ「JINGEN〈人減〉ブログ」で詳しく説明しています。




人間の場合もほぼ同様であり、その「個体数抑制装置」、つまり「人口抑制装置」については、以下のように説明しています。



① 人間もまた個体数抑制をしている!:2015年2月25日

② 人間の人口抑制装置は二重のしくみを持っている!:2015年2月26日

③ マルサスの指摘した人口抑制装置:2015年3月1日

④ 文化としての人口抑制装置・・・石器時代:2015年3月3日

 文化としての人口抑制装置・・・古代ギリシア:2015年3月4日

⑥ 古代ローマの人口抑制装置:2015年3月5日

⑦ 近代イギリスも人口を抑制していた!:2015年3月7日

⑧ 近代ヨーロッパで行われていた人口抑制:2015年3月9日

⑨ 日本人も人口を抑制してきた!:2015年3月11日

⑩ 大都市は「蟻地獄」だった!:2015年3月13日

⑪ 人為的抑制装置には3つの次元がある!:2015年3月17日


⑫ 人口抑制装置が作動する時:2015年3月21日 

人間の人口抑制装置については、上枠の②で述べているように、生物的(=生理的)次元と人為的(=文化的)次元の二重構造になっています。

要するに人間もまた、キャリング・キャパシティーが逼迫してくると、自ら人口を抑え始める、ということです。

とすれば、Sustainable(持続可能な)という言葉が何を意味するかによって、下図に示したように、私たちの対応方法は大きく変わってきます。



人口そのものの“持続”的増加を意味しているとすれば、破局(Catastrophe)へ向かうことになります。 

人口そのものの“持続”的停滞を意味しているとすれば、人口抑制装置が的確に作動する以上、そうした状況はほとんどあり得ません

キャリング・キャパシティーの“持続”を意味しているとすれば、人口が減っていく以上、ゆとり(Allowance)が生まれ、浪費(Waste)さえ増えることになります。 

いずれにしろ、Sustainable(持続可能な)という言葉は、私たち人類の目標というには、あまりにも曖昧な次元に留まっています。

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