2020年8月18日火曜日

Sustainable・・・ロジスティック曲線は“持続可能”を続けられるのか?

個体数が「Sustainable」になるという誤解は、統計学でも発生しています。 

生物の個体数の動きは「ロジスティック曲線(logistic curve)」で捉えられるという論理です。

ロジスティック曲線とは、1838年にベルギーのピエール=フランソワ・フェルフルスト(Pierre-François Verhulst)が、人口増加を説明するモデルとして考案したものです。

ロジスティック(logistic)とは、軍事用語の「兵站」、つまり「食糧などの必需品を確保する」ことですが、この意味を広げて、生物の個体数は、彼らが生きていくうえで必要な生活物資(carrying capacity:キャリング・キャパシティー)に依存していることを示しています。

この数式をグラフ化すると、下図に示したように、個体数がキャリング・キャパシティーに達した後は、横ばいの直線になります。まさに「Sustainable」そのものです。




しかし、これはあくまでも統計的な数式の上でのことであって、実際の生物には必ずしも当てはまるものではありません。 

幾つかの事例については、筆者の別のブログ(JINGENブログ)で、以下のように詳しく説明しています。

動物の個体数はロジスティック曲線をたどる?:2015年2月2日

ロジスティック曲線を外れるケース:2015年2月4日

ロジスティック曲線から外れる3つの事例:2015年2月7日

つまり、ロジスティック曲線では生物の個体数推移を正確に捉えることはできない、という主張です。

では、どうすればいいのでしょうか。筆者が新たに提案しているのは、ロジスティック曲線に代わる「修正ロジスティック曲線(
modified logistic curve」という数式です。

上の図に描いた「修正ロジスティック曲線」は一例であり、実際には下記のように多様性を持っています。 

「修正ロジスティック曲線」を提唱する:2015年2月9日

「ロジスティック曲線」から「修正ロジスティック曲線」へ!:2018年9月8日

定常にはならないロジスティック曲線へ!:2018年9月28日

「修正ロジスティック曲線」という視点:2018年10月5日

これらのコラムで述べているのは、キャリング・キャパシティーの上限に近づいた個体数が、安定的な定常状態を辿るのはごく稀なことで、下降、増減、回復などさまざまな推移を辿ることの方が多い、ということです。

要するにあらゆる生物の個体数変化は、サスティナブル(Sustainable:持続可能)な推移を大きく超えて、むしろカオティック(Chaotic:混沌)な動きを見せるのが常態というべきでしょう。

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