2019年3月19日火曜日

差延化5行動の関係を考える!

生活民の5つの差延化行動を、【「生活体」を提唱する! 2015年2月23日】で提唱した生活構造の縦・横軸で考えてみましょう。

縦軸については【
縦軸が生み出す3つの生活願望・・・欲動・欲求・欲望:2015年3月4日】前後で、また横軸については【横軸が作る3つの生活願望・・・世欲・実欲・私欲:2015年3月9日】前後で、それぞれの意味を述べています。

つまり、縦軸はコト―モノ軸、横軸はラング―パロール軸ともいえますが、両者をクロスさせた生活空間の上に、5つの差延化行動を位置づけてみると、下図に示したように、第2~3象限において上下左右に広がっています。









この図において、それぞれの行動の意味を考えてみると、おおむね次のような特性が指摘できます。
 

 私仕様、参加、手作り上下に並んでおり、「手作り」は主にモノそのものへの関与、「参加」はモノを素材にしてコトへ近づける行為、そして「私仕様」はモノには手を出さないものの、コトには関与するという行為を意味しています。

3つの行動は、コトとモノの関係である「有用性=ねうち」を見直ことで「共効」を「私効」化しようとする程度を示しています。

編集変換は、参加を間に挟んで、ラング―パロール軸上を水平に並んでおり、「編集」はコトーモノ軸のさまざまな既存「共効」を自ら組み合わせる行為、「参加」は「共効」に手を加えて「私効」化する行為、そして「変換」は既存の「共効」を一気に「私効」へと変えてしまう行為です。


3つの行動は、モノとモノの間にある「相当性=あたひ」を見直すとで「共効」を「私効」化しようとする流れを示しています。

③5つの中で、「私仕様」については、「カスタマイゼーション」とよばれるマーケティング手法で企業側から対応されていますが、批判的な言説もあるとおり、画一性の細分化にすぎない、とも言えます。

④コト―モノ軸の上に位置する「編集」という行動も、「共効」に近いところで「私効」を求める行為ですから、「共効」の変形と言えるのかもしれません。

⑤残りの3つ、つまり「参加」「手作り」「変換」という行動は、やはり画一的な「価値」や「効用」を脱して、需要者の自立を促すものですから、単なる「共効」受容を脱して、少しでも「私効」実現を果たそうとする行動と言えるでしょう。
 
以上のように、5つの差延化行動は、それぞれが「私効」の拡大をめざすものであり、さまざまな批判があったとしても、それは単に各行動における有効性の強弱にすぎない、と考えるべきでしょう。

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