しかし、物語戦略は「差異化戦略」、神話戦略は「差元化戦略」として、それぞれ明確に分けて議論すべきもので、むしろ対立的に考察すべき対象ではないでしょうか。
そこで、物語と神話はどのように違うのか、辞書類を調べてみると、さまざまな見解が述べられています。
それらを整理して、対比的に並べてみると、次のようにまとめることができます。
◆物語(Story)とは、一人の人間が言語を駆使して結びつけた意味の流れを、他人に向かって語りかけたうえ、集団的な虚構物として認めさせる文章群で、読物、小説、散文、講談、台本などの形をとります。
◆神話(Mythology)とは、民族や種族などの人間集団の心の底に潜んでいる、集団無意識的な世界像を、さまざまな象徴(C.G.ユングのいう元型:archetype)に仮託させて紡ぎ出した文章群で、昔話、民話、お伽噺、伝説などの形をとります。
2つの文章群の違いを示すため、具体的な事例を下表に挙げておきます。
以上のような物語と神話は、マーケティングに応用されると、次のようになります。
◆物語は「差異化」戦略の一つ、いわゆる物語戦略となり、「曰く因縁由緒来歴」などの意味を一連の記号の流れに変えて、商品やサービスの上に乗せることで、広告効果や販売拡大をねらうことになります。
◆神話は「差元化」戦略の有力な手法の一つ、神話戦略となって、商品やサービスの上にさまざまな元型を組み入れた象徴の流れを加えることで、ユーザーの感覚や無意識に訴求して、広告効果や販売拡大をねらいます。
表層的な次元でみれば、両方ともに需要拡大を狙ったマーケティング戦略ですが、もっと根本的な次元でみると、大きく異なっています。
差異化戦略と差延化戦略の間には、ユーザーに何を訴えるかという点において、根本的な違いがあるからです。
◆物語は「差異化」戦略の一つ、いわゆる物語戦略となり、「曰く因縁由緒来歴」などの意味を一連の記号の流れに変えて、商品やサービスの上に乗せることで、広告効果や販売拡大をねらうことになります。
◆神話は「差元化」戦略の有力な手法の一つ、神話戦略となって、商品やサービスの上にさまざまな元型を組み入れた象徴の流れを加えることで、ユーザーの感覚や無意識に訴求して、広告効果や販売拡大をねらいます。
表層的な次元でみれば、両方ともに需要拡大を狙ったマーケティング戦略ですが、もっと根本的な次元でみると、大きく異なっています。
差異化戦略と差延化戦略の間には、ユーザーに何を訴えるかという点において、根本的な違いがあるからです。
電子出版『人口減少“激活”ビジネス』発売中!