虚構願望を的確にとらえ、ユニークな緩み方や遊び方を開拓し、斬新な虚構界を築いていくには、これまでの怠惰や遊戯対応を超えた、より的確なマーケティング戦略が必要です。
そこで、対象となる虚構願望の中身を大別してみると、次の4つの戦略が浮かんできます。
第1は浪費・蕩尽戦略。目標や目的を意図的に放棄して、気の向くままに行動することを意味します。私的な生活次元での無為や惰性などの「怠惰」戦略を基盤にして、経済的な生活次元では無駄づかいや蕩尽などの「浪費」戦略が、社会的な生活次元では冗費や乱費やなどの「蕩尽」戦略が生まれてきます。
第2は虚脱・混乱戦略。陶酔、酩酊、トランポリンなど虚構空間の中で私的な錯乱状態を求める「めまい」戦略を基盤にして、温泉や気晴らし旅行など体感次元の発散を求める「虚脱」戦略や、遊園地やカーニバルなどの設備で集団的に虚脱空間を作りだす「混乱」戦略が生まれてきます。
第3は戯化・模擬戦略。仮面遊びや着せ替え遊びなどの虚構ルールへ私的に戯れようとする「私戯」戦略を基盤として、娯楽やレジャーなど日常的な虚構を実行しようとする「戯化」戦略や、映画、演劇、音楽、美術など虚構空間を集団的に作りだそうとする「模擬」戦略が生まれてきます。
第4はゲーム・競争戦略。ギャンブルやくじなどの虚構ルールへ私的に挑戦しようという「賭け」戦略を基盤として、囲碁や麻雀などの虚構ルールへ日常的に戯れる「ゲーム」戦略や、競技や競演など虚構ルールへ集団的に戯れようとする「競争」戦略が生まれてきます。
差戯化戦略では、以上の4つの方向のそれぞれに応えて、まったく新たな商品やサービスを作りだしていく手法はもとより、日常願望や真実願望向けの商品やサービスを虚構願望に向けて転換してしまうといった、幾つかの手法が必要になるでしょう。
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