私たちの生活願望は、欲望・欲求・欲動、世欲・実欲・私欲、真欲・常欲・虚欲の9つに整理できます。
これらを生活球の中に位置づけると、欲求・実欲・常欲の3つは、丁度真ん中にある平常球の中でクロスし、最も日常的な生活願望となっています。そこで、この3つをまとめて「日欲」と名づけます。
すると、私たちの生活願望は、日欲を中心として、欲望、欲動、世欲、私欲、真欲、虚欲の6つの願望が放射状に広がっており、合計7つにまとめることができます。これら7つの特徴を整理すると、次のように説明できます。
- 真ん中の日欲は、言語と感覚の、社会と個人の、真実と虚構の、ちょうど中央あたりで営まれている、日々の生活上のさまざまな願望(欲求・実欲・常欲の複合化)を意味しています。
- 縦軸では、欲望が言語・記号・意識などを求める一方、欲動が感覚・象徴・無意識などを希求しています。
- 横軸では、世欲が社会・価値・同調などを求める一方、私欲が個人・私効(私的効用)・愛着などへ関心を広げています。
- 前後軸では、真欲が真実・儀礼・緊張などを求める一方、虚欲が虚構・遊戯・弛緩などへも走り出しています。
以上を整理してみると、下表のようになります。
これら7つの生活願望は、ヒトがヒトとして生きていくための、最も基本的な構造であり、原始社会でも未来社会でもさほど変わるものではありません。時代や場所によって、願望の形や向け先が変わったかに見えることがあっても、基本的には変わらず、それぞれの本質はこれら7つの位置に方向づけられています。