2022年11月23日水曜日

少産・多死化の推移を振り返る!

人減先進国としての日本の将来。それを考える前提として、過去100年間、人口増加時代の生活様式がいかに変わってきたのか、を確認しています。

前回の人口分布に続いて、今回は出生・死亡数の変化を振り返ってみましょう。

人口動態統計にとると、1900年以降、120年間の出生数、死亡数の推移は、下図のとおりです。194446年は資料不備のため省略。194772年は沖縄県を含まない。)  



出生数の推移

1900(明治23)年の142万人から、1941(昭和16)年の228万人まで増加した後、太平洋戦争による不明期となった。

②戦後の194748(昭和2223)年には268万人49(昭和24)年には270万人と最高値を示し、この3年間が1次ベビーブーマー、団塊一世の誕生であった。

③その後、1957(昭和32)年に157万人まで減少した後、再び増加に転じ、197274(昭和4749)年には203209万人と、第2次ベビーブーマー、団塊二世の誕生を示した。

④以後は約20年間減少を続け、1993(平成5)年に119万人まで落ちた後、199496(平成68)年に120万人前後で、団塊3を誕生させた。その後は徐々に減少となり、2000(平成12)年の119万人を経て、2020(令和2)年には84万人で120年間最低となった。

●死亡数の推移

1900(明治23)年の91万人から増加し、1920(大正7)年のスペイン風邪で142万人のピークを示した後、192040(大正9~昭和15)年代に120130万人へと推移した。

②戦後は1947(昭和22)年の114万人から減り始め、196070(昭和3555)年代は70万人前後を続けたものの、1980年代からは増え始め、1990(平成2)年に82万人2000(平成12)年に96万人を経て、2003(平成15)年に101万人100万人を越し、2020(令和2)年には137万人で120年間最大に達している。

120年間の変化を整理すると、次のようになります。

①出生数は1990年をベースとすると、49年に1.973年に1.5に達したが、85年には1.0となり、以降は減り続けて、2020年には0.6まで落ち、戦前戦後最低となっている。

②死亡数も、1990年をベースとすると、201.6にまで増加したが、40年には1.3にまで低下した後、さらに減少を続け、196080年代には0.8となった。90年代に入ると反転し始め、1995年に1.0を超え、2020年には1.5と戦前1923年のレベルに戻っている。

③大局的に見ると、出生数の推移は1949年をピークとする山型であり、死亡数の推移は1960年代をボトムとする谷型である。

④こうした推移の結果、20052007に死亡数が出生数を追い抜き、それ以後、日本人人口は減少過程に入っている。 

以上のように見てくると、120年間の変化は、❶戦前(19001944年)の出生増加・死亡微増期、❷戦後回復時代(19451975年)の出生増加・死亡低位期、❸社会安定時代(19762020年)の出生減少・死亡増加期、の3段階に大別できそうです。

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