日本の人口は10年以上前から減少を続けていますが、世界人口の方は、前回述べたように、30年後の2050年ころから減少に入る、と予想されています。
国連の人口予測2019(低位値)によると、世界各国の人口もまた、次のように減少へ向かっていくようです。
まずエリア別に見ると、下図のように推移していきます。
①最大のエリアであるアジア地域は2039年をピークとして、2040年代から減っていきます。 ②ヨーロッパは2020年、大洋州は2033年、南アメリカは2041年、北アメリカは2048年にそれぞれピークに達し、以後は減っていきます。 ③アフリカだけは伸び続けますが、2096年にはピークを迎えます。 |
主要国別に見ると、次表のように推移していきます。
①エリア群では、ヨーロッパ、アジア、南アメリカ、北アメリカ、大洋州、アフリカの順にピークに迎えます。 ②ヨーロッパでは、すでに1980年代から東欧諸国で減少が始まっており、2010年代に入るとイタリアもピークに達しました。ドイツ、ロシア、スペインが2020年に、オランダ、フランスが2020年代中後期に、イギリスが2030年代、スウェーデンが2049年、ノルウェーが2059年と、ほとんどの先進国でピークを迎えます。 ③アジアでは、日本が2009年にすでにピークに達していますが、今後は韓国が2020年、中国が2024年、インドが2042年、インドネシアが2055年にそれぞれピークとなります。 ④南アメリカでは、ペルーが2049年、ブラジルが2091年とピークが予想されています。 ⑤北アメリカでは、メキシコが2044年に、アメリカ合衆国が2047年、カナダが2075年にピークになります。 ⑥大洋州では、ニュージランドが2044年、オーストラリアが2094年にピークを迎えます。 ⑦アフリカでは、南アフリカが2050年、エジプトが2079年、コンゴが2097年にピークとなりますが、ナイジェリア、タンザニア、スーダンなどは2100年以降になる模様です。 ⑧ヨーロッパ諸国とアジア諸国のほとんど、およびアメリカ合衆国は2050年代までにピークを迎え、以後は減少していきます。 |
以上のように、30年後の世界人口ピークと連動して、欧米やアジアの先進国ではすでに人口減少が始まろうとしています。まさに人口減少こそ先進国の宿命なのです。
いいかえれば、21世紀の先進国とは、いつまでも人口増加を続ける国ではなく、人口減少という新事態に的確に対応していく「人減先進国」といえるでしょう。
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