生活民の差延化行動や差元化行動に対応する供給側の課題を述べてきましたので、次は差真化行動への対応を考えていきます。
【生活民は「真実」を超える!:2017年8月31日】で述べた通り、生活民とは「真実」よりも「虚構」から「日常」や「真実」を眺める主体です。
この課題を考えていくには、次の2つの視点が必要だと思います。
①日常界で使われている日常言語(交信言語)は、表層言語(観念言語)と深層言語(象徴言語)に挟まれた言葉である。
【 “象徴”力の向上でウソとマコトを見分けよう!:2017年7月19日】で述べたように、言葉には音声記号や活字記号など「表層意識において理性が作り上げる言語」と、無意識をとらえる「深層意識的な言語」があります(井筒俊彦『意識と本質』)。
この視点を拡大すると、【身分け・言分けが6つの世界を作る!:2015年3月3日】で触れたように、生活体の縦軸には「コト界(言語界)」「モノコト界(認知界)」「モノ界(感覚界)」の3つがあり、それぞれの世界ごとに使われる言葉もまた、表層言語(観念言語)、日常言語(交信言語)、深層言語(象徴言語)に分かれてきます。
●表層言語(観念言語)は、観念や概念など抽象化された記号として使用している言葉。
●日常言語(交信言語)は、会話や文通などで日常的に使用している言葉。
●深層言語(象徴言語)は、日常言語以前のイメージ(元型)やオノマトペ(擬声語)などのって表される言葉。
②日常界とは真実界(儀礼界)と虚構界(遊戯界)に挟まれた世界である。
【前後軸が作る3つの生活願望・・・真欲・常欲・虚欲:2015年3月13日】で詳しく述べていますが、生活球の縦横軸で見ると、私たちの生活世界は言葉の示すことはすべて真実とみなす「真実界(儀礼界)」、逆に言葉の示すことはすべて虚構とみなす「虚構界(遊戯界)」、これら2つの狭間にあって真偽が曖昧なままの「日常界」の3つから構成されています。
●儀礼界とは、言葉の示すことを全く疑わないで、すべてを真実とみなすメタ・メッセージの場であり、儀礼や儀式に代表される空間。
●日常界とは、真実と虚構の二つの空間の狭間にあって、虚実の入り混じった場であり、私たちが毎日暮らしている日常の空間。
●遊戯界とは、言葉の示すことはすべて虚構とみなしたうえで、その嘘を楽しむメタ・メッセージの場であり、遊戯やスポーツに代表される空間。
生活民の真化行動へ供給側が積極的に対応していくには、以上のような①と②の視点をクロスさせることが必要です。
それは【生活体マンダラ・立方界を提案する!:2015年3月22日】の中で提案した生活体マンダラの中の一つ、日常界に相当します。
供給側はこの世界に対して、どのように対応していけばいいのか、多面的に検討していきましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿