生活民の差汎化対応で、2つめに求められる行動は、「共効」を素材として差延化し、「私効」に変えることです。
企業側の差し出す新商品には、常に機能、記号、体感、遊戯、真摯などで、新しいネウチ(共効)が付加されています。
しかし、生活民自身にとっては、それらが自らの生活に本当にネウチ(私効)があるか否かは、必ずしも決まっているわけではありません。
とすれば、さまざまな新共効を私効に変えられるか否か、を冷静に見分けたうえで、可能性があるとすれば、その部分を自ら変換して「私効」化することが必要です。
先に述べた「差延化」という行動を、生活民の側から積極的に実施していくということです。
具体的に言えば、私仕様、参加、編集、変換、手作りなどの差延化行動を、新たな共効に対して、次のように実施していくのです。
①「私仕様」・・・供給側の差し出した新オーダーシステムを利用して、どこまで自分自身の求める「私効」が達成できるか、を見極める。
②「参加」・・・供給側の提供する新商品を、7~8割程度の素材をみなして、どこまで自分自身の求める「私効」が達成できるか、を考える。
③「編集」・・・供給側の差し出す、新しい商品を素材や部品とみなして、自らの“自主編集権”がどこまで満足できるか否かを判断する。
④「変換」・・・供給側の差し出す、新たなネウチ(共効)をあくまでも一つの素材とみなして、どこまで自らの「私効」に変えられるか、を検討する。
⑤「手作り」・・・供給側が新たに素材として提供するネウチ(共効)を利用しつつ、自らの頭と手を使って、どこまで自分のめざす「私効」を作り上げられるのか、を改めて考える。
以上のように、生活民の差汎化対応では、新たに提供されたネウチを冷静に取捨選択したうえで、自らの生活に取り入れていくという、高度な知恵が求められます。
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