2016年8月8日月曜日

物語は供給者からの誘導、神話は需要者との融合

物語(Story)戦略神話(Mythology)戦略の違いを、幾つかの視点で比べてみましょう。

①意識と無意識の差(詳しくは当ブログ「
物語と神話・・・どこが違うのか?」参照

物語戦略:言語界という、意識的、目的的、共通コードを前提にしたコミュニケーション活動
神話戦略:感覚界において、無意識的、未目標的、共通体感的に行うコミュニケーション活動

②サインとシンボルの差(詳しくは当ブログ「
サインとシンボル・・・どこが違うのか?」参照

物語戦略:モノの上に「サイン(記号)」の体系を付加することで、モノそのものへの需要を喚起しようとする手法
神話戦略:モノに潜んでいる「シンボル(象徴)」の体系を刺激することで、モノ自体への愛着心を気づかせる手法

③差異化と差元化(詳しくは当ブログ「
差異化と差元化を比較する!」参照

物語戦略:カラー、デザイン、ネーミング、ブランドの延長線上に位置づけられる、究極的な「差異化」戦略
神話戦略:感覚刺激、無意識自覚、象徴回復などをめざす、総合的な「差元化」戦略の一つ。

このように整理してみると、物語戦略=差異化戦略の限界と、神話戦略=差元化戦略の有効性が、おおまかに展望できます。(当ブログの「
差異化を超えて差元化へ」や「『差異』より『深化』を!」参照


要するに、物語戦略は供給者からの強引な誘導を行う手法であり、神話戦略は需要者の無意識や感覚を刺激することで、需給両者の共感を作りだす手法といえます。

それゆえに、今後30年は続く、人口減少・需要縮小・濃密化市場に対応していくには、「シンボリック・ストーリー」などという両者の混同を超えて、差異化と差元化の違いを明確に認識した「生活人のためのマーケティング活動」、つまり「User Side Marketing」が求められるのです。

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